常用漢字を手本化した「硬筆字典」という字引き

世間的には馴染みの薄い「硬筆字典」と呼ばれる字引きがあります。

硬筆字典は「ペン習字の専門書」としての毛色が強く、小学校の書写教育で教わる「きれいな字」とは趣の異なる伝統的な手書き文字がたくさん掲載されています。

類似した名前に「漢字辞典」がありますが、「硬筆字典」とは用途が異なり、主に次のような違いがあります。

漢字辞典
漢字の「画数」「部首」「読み」などを調べる。
印刷文字による記載。
硬筆字典
「楷書」「行書」「草書」の字形や筆順を調べる。
手書き文字による記載。

手持ちの硬筆字典を例にしますと、

楷書だけでなく、手書きによる正当なくずし字が掲載されているのがわかります。

これは行書や草書の筆順が載っているタイプです。

硬筆字典は各ペン習字団体の第一人者が手がけていることが多く、その系統に所属する生徒にとって貴重な参考資料となります。

パイロットペン習字講座では、「手本のない課題」が課されるため、該当する文字を字典から収集しなければなりません。

人によっては、コピー機やスキャナを使って手本を自作し、練習しやすい土台を整えます。その際、ページを切り離した方が何かと作業しやすいため、字典を裁断する場合もあります。

当時、裁断機を買うまでもないと手作業で行って大変な目にあった覚えがあります。

本の背に付着したノリを剥がすためアイロンで熱を加えてバラしたら、カッターで数枚ずつ裁断し、パンチ穴が位置ずれしないように印をつけた後に数枚ずつ穴をあけていく、といったとにかく途方も無い作業でした。

今なら書籍を裁断してもらえる自炊代行業者に頼んだ方が遥かに楽だと思います。

裁断した字典をバインダーに収めて使用すると、徐々にパンチ穴が広がってしまいます。開いたり閉じたりを繰り返す以上、避けられない傷みです。

パンチ穴を補強するシールを探したところ、印鑑にも似た文房具を見つけました。

「ワンパッチスタンプ」という品名で、ハンコのように狙いを定めて補強シールを貼れる代物です。補強シール200片入りで、詰替えシールも別売されています。

横からの力に強いシールなのか、耐性のあるパンチ穴へと強化されました。

自分の好きな手本は単に眺めるだけでも目習いに良いですし、心なしか気分が高揚します。ペン習字を継続する限り、字典とは自ずと長い付き合いになりますから大事に使っていきたいものです。

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コメント

  1. ヨシダ より:

    初めまして。自分好みの硬筆字典を探しており、拝見させていただきました。よろしれば、自炊され、バインダーに綴られている字典名をお教えくださいますか。

  2. uta より:

    >>ヨシダさん

    はじめまして。

    こちらの字典は、
    『ペン字常用漢字の楷行草』
    江守 賢治 (著) 日本習字普及協会(出版)
    です。

    パイロットペン習字通信講座(A系統)の推薦図書となっています。

  3. ヨシダ より:

    ご丁寧にありがとうございました。