地中海の青を敷き詰めたイタリア万年筆「アウロラ オプティマ」

舶来万年筆の中で「初めに手にするなら絶対にこれだ」と兼ねてから決めていたイタリア万年筆「アウロラ オプティマ No.996/CB」を紹介します。

化粧箱がやらデカイ

贈答品としての需要が高いことをうかがわせる化粧箱です。

万年筆を使ったことがない人でも「オプティマ」をプレゼントされたら、見た目のインパクトにきっと魅了されてしまうはず。

アウロラの軸は美しい

「オプティマ」の特徴といえば、アウロロイド樹脂による独特のマーブル模様です。

「オプティマ」の種類は、ブルー以外にも、

  • グリーン
  • バーガンティ(ルビー色)
  • ブラックパール

などがあります。

私は、地中海をイメージする多様な青色を敷き詰めたブルー軸が好きです。

文房具店にディスプレイされている万年筆の中でも「オプティマ ブルー」だけはよく見入っていました。何度目にしても初めて魅了されたときの気持ちがよみがえり、これならずっと大事にできると思ったのが購入した理由です。

オプティマのニブ刻印

ペン先の素材は14金ですが、しなりは少なく、サリサリ感のある書き味です。

キャップの装飾は何を意味する?

グレカ・パターンの意味を日本語で平たく言うと「禍福はあざなえる縄の如し」です。

古代ローマ時代から用いられていた文様で、一般的には「幸せを招く」と言われているようですが、あのぐるぐる回る模様は人生の起伏を表しているのだとか。

けっこう奥深い文様だそうです。

引用元:アウロラ オプティマ バーガンディ 万年筆 – ろけろけ +++ 文房具

ぐるりと囲い込む装飾帯は、「永遠に続く」といった意味もあるようです。

※コメント欄から、グレカパターンの由来は、「ギリシャの伝統模様」にあることを教えていただきました。ありがとうございます。

光が当たると宝石を埋め込んだように見える

画像では伝わりませんが、アウロロイド樹脂は光に当てると、淡い青色部分がうっすらと輝きます。

輝き方が一様ではないので、軸を回しながら鑑賞しても楽しめます。

私が所有している個体は、螺鈿細工のように光る箇所が一部ありました。ひとつとして同じ模様がないのも「オプティマ」が持つ魅力だと思います。

万年筆は実物を目にして良さが分かる

売れ筋ランキングの常連であるペリカン「スーベレーン」は、画面で見る画像からは「緑色の軸に黒いストライプが入った簡素な万年筆」にしか見えません。

しかし、間近でスーベレーンを観察すると、照明によって軸が鈍い輝きを放ち、見る角度によって色合いが変化するのが分かります。

万年筆を扱うネットショップでは購入意欲を削がないようにと、限りなく美しい画像を掲載していますが、やはり実物を見ないと物の質感は分からないものです。

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コメント

  1. キリロス より:

    こんにちは。
    以前に引用元のコメントを見た時にも「え?」と思ったのですが、一応解説しますね。

    このアウロラに限らずモンテグラッパ等が良く用いる「グレカ・パターン」ですが、これはイタリア語と英語をくっつけた、主にデザインの世界でだけ用いられる英語の造語です。
    「禍福は云々」は多分に日本で尾ひれのついた噂話程度の事で、このパターン自体の出どころは良く知られているのです。

    先ほど造語と言いましたが、この模様をイタリア人は「meandro(発音はメアンドロに近いです)」と呼びます。

    そうですね。Googleで「メアンドロス 模様」や「ギリシャ 模様」で検索してみてください。
    オプティマに刻印されている模様の色々なパターンが見られます。
    「greca pattern」でヒットするのが英語のサイトばかりな事からも、イタリア人の言葉ではない事が分かります。
    この「greca(グレカ)」はイタリア語の「grecia(グレチャ)」の格変化形で端的に言えば「ギリシャの」「ギリシャ風の」という意味です。
    つまり「グレカ・パターン」はイタリア語を組み合わせた英語で「ギリシャの模様」と言っているのです。
    「メアンドロス」の原語はギリシャ語ですが、これは小アジアに実在する河の名前から来ているのではないかと考えられています。非常に蛇行した河であり、言葉自体も「蛇行」という意味も持っています。

    何にせよ、その名の通り、元々「グレカ・パターン」はイタリア由来の模様でも古代ローマ由来の模様でもありません。古代ギリシャ由来の模様です。

    では、イタリアのメーカーが何故、この模様を好んで使うのか疑問かもしれません。

    しかし、これはむしろ当たり前の事なのです。

    イタリア半島で最初に文明的な町を作った人々がどこの誰かご存知でしょうか。
    南イタリアの沿岸部に植民してきたギリシャ人たちです。
    紀元前の古代ローマ建国以前に遡ると考えられています。

    その後、南イタリアには中世に至るまで、ギリシャの影響はビザンツ帝国の影響力として残り続けます。

    ですから、今でも南イタリアには、イタリアというよりはギリシャ風の町や建物が多く存在します。

    そして、古い歴史的建造物にも植民してきたギリシャ人たちは「メアンドロス模様」を彫り込みました。
    古代イタリア半島に住んだラテン人(後のローマ人の祖)は彼らとの通商の中でその模様を自文化に取り入れました。

    古代ローマ建国以来、南イタリアも版図に早くから組み込んだ彼らにとって、メアンドロスは典型的な装飾模様の一つとして受け入れられました。
    それが、当時、文化的にローマよりも先を行っていたギリシャの伝統模様であったことも影響したのでしょう。
    そして、今でもイタリアの伝統模様(もちろんギリシャでも伝統模様です。オリジナルですからね)として、デザインやファッションの世界で生き続けている、という訳です。

  2. uta より:

    >>キリロスさん

    大変くわしく分かりやすいご説明ありがとうございます。

    グレカ・パターンと呼ばれるデザインは、ギリシアに伝わる幾何学紋様がモチーフとなっているのですね。
    すると、オプティマの刻印は古代ローマを由来とする模様とは異なるわけで、そのルーツは南イタリアに直民してきたギリシャ人にあると。
    大陸国同士の歴史や文化が深く関係していたとは勉強不足でした。

    「greca(グレカ)はイタリア語で[ギリシャ風の]を意味するんだよ」と説明できたらとても分かりやすいですね。今度説明する機会があったら使わせていただこうと思います。
    ありがとうございました。