字が綺麗になる心構え「心技体」について

必要となる知識・技術を俯瞰的に見渡すと、物事を効率よく攻略できることはよくあります。

「心技体」という言葉の概念を通して、ペン習字上達の秘訣を3つの方面から見ていきます。

校長先生のようなお話にならないよう、なるべく簡潔に説明していきますね。

ペン習字における「心技体」とは

ペン習字上達に必要な3つの要素

私なりの解釈でペン習字の「心技体」を要約すると、次のような言葉がしっくりきます。

とは
自分なりの楽しみを見つけ、続けること
とは
ペン字の技術(美しい字の書き方)を学ぶこと
とは
思ったとおりに線が書けること

これら3つの要素がうまく噛み合えば、字は自然と上手くなるものと考えます。

ひとつずつ順に説明していきます。

心が華やぐほど字は上手くなる

何といっても、書字に対するモチベーションが高い人には敵いません。練習に取り組む意欲が高い人は、本来の成長曲線をねじ曲げ、さらに上達していく可能性を秘めています。

ところが、熱量が高い状態を保ち続けることは思った以上に難しく、大抵の場合、私たちの意欲は徐々にしぼんでいく傾向にあるようです。

特に、ペン習字を習い始めた直後の期間はモチベーションの上下が激しく、3日坊主で終わってしてしまう人も少なくありません。

「心」の特性を利用した1日でもペン習字が長続きする取り組み方があります。「好き」という感情を散りばめながら書く作戦です。

書字の資質がからきしな管理人が現在もペン習字を継続している理由は、腕前よりも「ときめき」に比重を置いているからと振り返り、この「好き」という感情は、知識や技術を効率よく吸収する上で非常に役立ちます(内発的動機づけとも言います)。

最初は字を書くことが好きでなくても大丈夫

「好きこそものの上手なれ」とは、芸事は、無理して嫌だと思いながらやっても、成長はないという意味のことわざで、これをペン習字に当てはめると、字を書くことが好きでない人は成長が見込めないといった意味にも取れます。

でも実際のところ、ペン習字が上達する素質については、「書字が好き」の他にも色々あります。

具体的な適性をいくつか挙げてみると、

  • ペン習字の手本集や作品を眺めているとワクワクする
  • お気に入りの文房具を使うひとときが好き
  • 自分の字に自信が持てるようになったら文通をやってみたい など

ペン習字のテキストと筆記具

(5年以上の付き合いがあるテキストと万年筆。ユニボール シグノも書きやすくて好きです)

こういった、書字に関するときめきを胸に秘めている人は、ペン習字の素質があると管理人は考えており、私自身は、好きな硬筆手本に出会えたことがきっかけで練習に励むようになりました。

ひとつ留意しておきたいのは、初めの段階で字の上手下手にこだわってしまうと、下手で不甲斐ない自分を許せず、前進する意欲を瞬く間に失ってしまうこと(苦い経験があります)。

自筆を改善したくてペン習字を始めたのに、上手下手にこだわるのは二の次というのは、矛盾しているかもしれませんが、書字上達の手応えを感じる最初の難関を突破するにあたっては、「出来た・出来なかった」の結果にこだわるよりも「強いときめき」に重点を置いた方が、前に進もうとする力は明らかに強いです。

さらに、昇級・昇段といった第三者からの評価が加わることで、ペン習字の継続性はより強固なものとなります。「ときめき」の言葉に違和感を感じる人は、書字に関する資格取得を目的とした「達成動機づけ」から入っていく方法も有効です。

技を知ることで字は上手くなる

ペン習字における「技」は、美しい字の書き方を学ぶことに相当します。

美しい字の書き方が体系的に分かる入り口としては、

  • 市販のテキスト、通信講座
  • 体験レッスン、1日講義

といった複数の開かれた門が存在し、特に"先生による添削"を活用すると、個人に合わせたより詳細な美文字の処方箋を受け取れます。

ペン字教本が示す美しい字の書き方

(市販テキスト『大人字の基本と実用練習帳』p42 より)

一般的にペン習字を習うとは、上記画像のような「美しい字の書き方」を知って実践することに軸足を置いており、これらのコツを統括したとき、およそ2つの「技」に大別できます。

ペン習字で学ぶ「技」を2つに集約すると

間架結構法かんかけっこうほう
単体の文字を美しく書く際のコツ
布置章法ふちしょうほう
字粒や字配り、中心の揃え方など、文章全体をバランスよくまとめる際のコツ

学び方のセオリーとしては、間架結構法から身につける学習法が一般的です。

初心者向けの練習帳や通信講座には、字形の整正法について詳しく解説している教材が多く、ひらがな、カタカナ、簡単な漢字とステップアップしながら、字形の整え方を習得できます。

その上で競書誌のような一定量の文字数を伴った課題に取り組むと、字粒、字配りのさじ加減についても目が行き届き、文章の流れを感じる布置章法の力も向上していきます。

ペン習字の「技」については、個人の知ろうとする努力によってその能力を底上げできる特徴があり、技のバリエーションが増えるにしたがって見応えのある字が書けるようになります。

体を上手に動かせれば字は上手くなる

体の使い方が上手な人は飲み込みが早いです。いわゆる「センス」と呼ばれるものです。

ペン習字の場合、センスと呼ばれる片鱗は、書写技術の高さとして表れるケースが多く、手本を忠実に再現できる能力に秀でた人は、習い始めから成長の度合いが極めて高い傾向にあります。

とはいえ、先天的に書写能力が優れている人はあくまで少数派に過ぎず、管理人も含め、多くの人は練習の積み重ねによってその能力を引き出せますので安心してください。

身体能力が上がるにつれて書字を楽しめる

上手に字を書くコツをたくさん知ったところで、それらを忠実に実践できる器がないと上達の実感を得るのは難しく、ペン習字は体を動かすスポーツにも近い側面を持っています。

早い話、寸分の狂いなく、自分の思ったとおりに指先を動かせれば、絵画や書字だってお手の物、小さな米粒にだって精密に字が書けます。

しかし、経験のない人がそうしようと思ったところで、それは土台無理な話で、大抵は意識ばかりが先行してあらぬ動きをしてしまい、不甲斐ない結果に終わってしまいます。

そのため、ペン習字では脳からの指令を正しく身体に伝える訓練を兼ねた試行錯誤が欠かせず、上達の肝は反復練習にあります。

心技体のうち、成長に個人差がある「体」

ペン習字の「心技体」について何となく見えてくるものがありましたか。「成長する木」に例えると分かりやすいかもしれません。

図解 「心技体」を「成長する木」に例えると

心は
成長を促す肥料のようなモノ
技は
成長と共に結実するのようなモノ
体は
花や枝葉の重みを支えるのようなモノ

外から見たとき、ペン習字の花形は「わざ」にあるように見えますが、栄養源となる「心」と「体」も同じくらい重要です。

どの要素についてもバランス良く育つ状態が理想ではあります。ただ、体(思った通りに線を書くこと)についてはその成長度に個人差があり、頭では分かっているけれど上手く書けない理由の大半は、指先のコントロール力が不足している点にあります。

その突破口となる対策は、ずばり「書けるようになるまで書く」が正攻法で、コツコツと取り組める人が着実な上達をものにしていきます。

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