お気に入りのペン字手本を見つける方法

ペン習字における最大のイベントは、良い手本との出会いに尽きると思います。

手本探しの段階からペン習字は既に始まっており、自分なりの書字を形作っていく過程で、参考とする手本の影響は計り知れないものがあります。

このページでは、ペン習字における様々な手本を知るにあたって最適な場所や方法について紹介します。

このページ 3行まとめ
色々な手本を比較できる穴場スポットは、駅近の大型書店。
競書誌の見本誌を取り寄せる方法もあります。
心ときめく手本に出会えたら、ペン習字はさらに楽しくなります。

その1. 大型書店でペン字の手本を探す

図解 大型書店だとお気に入りの手本が見つかるかも

書店のペン字コーナーは、硬筆手本の宝物庫です。

とりわけ、在庫数が豊富な大型書店では、新刊や売れ筋のペン字教本だけでなく、往年の手本集や字典を取り揃えているケースが多いです。

ある程度の目星をつけて探したい人向けに著者や出版社の一例を挙げておくと、

岡田崇花 先生
毎年5冊程度の新刊によって商品棚を緩やかに席巻している、出版ペースがとても早い実力派の先生。
著書が多い分、独習する人にとっては習いやすい。
鈴木啓水 先生
ユーキャンのボールペン字講座の手本執筆者。
講座テキストの手本を事前に確認できる。
日本習字普及協会 出版
大家の先生による教本が多い。
古風で趣を感じる手本が割りと多め。

あとは、著者の経歴に「硬筆書写検定1級 取得」が記載されている点も見どころでしょうか。

ペン習字の先生が書く硬筆手本は、書道の先生が書くそれと比べて幾分か習いやすい書きぶりのように感じます。

その2. 競書誌の見本誌を取り寄せる

硬筆に特化した競書誌はそれほど多くない

競書誌とは、会派の級や段位を取得できる定期雑誌のことです。

支部教室における教材としての役割が強い競書誌ですが、個人でも購読は可能で、団体の事務局に連絡すると見本誌を送っていただけます。

硬筆の競書誌を知ることは、ペン習字に特化した流派を知ることに繋がります。

審美眼を養うには打って付けの書物でもあり、それらの洗練された書きぶりを目にしておくと、ペン字教本を選書する際の精度が自然と上がります。

実際にペン字教本の一部を見比べてみる

話のタネとして、

  • 売上数が多いペン字練習帳 部門
  • 購読者数が多い競書誌 部門

2つのカテゴリで一番人気と思われる手本をピックアップし、その書きぶりを見比べてみます[1]

書店で売上数が多いペン字練習帳の手本

中塚翠涛すいとう先生の手本

中塚翠涛先生の手本

(『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』p12,69 より)

中居正広のミになる図書館「美文字大辞典」という番組に出演されていた書道家の方が書いた硬筆手本です。

美文字の書き方を学べる番組企画が好評となり、既に出版されていた『30日できれいな字が書ける』シリーズが人気化しました。

2015年には、シリーズ本の売れ行きが累計300万部を突破し、どの書店でも手に取ることができるペン字練習帳です。

Amazon 中塚翠涛先生の著書

購読者数が多い競書誌の手本

『ペンの光』(田中鳴舟めいしゅう先生)の手本

田中鳴舟先生の手本

(『硬筆書写テキスト3 よこ書き 数字 欧文 用法・用例』p36 ボールペン習字講座『基本編』p14 より)

『りぼん』や『なかよし』といった少女漫画誌にかつて登場していた「日ペンの美子ちゃん」が習っている(設定の)手本です。すっきりと冴えた線質で、筆勢の強弱が分かりやすい特徴があります。

全国の支部教室と通信講座によって習う場所を選ばず、初級者から上級者まで長く付き合える手本になっています。

Amazon 田中鳴舟先生の著書

ひらがなの手本を比較してみると…

2種類のひらがな手本を比較

ペン習字の習い始めは、「ひらがな」や「漢字の楷書」から始まるため、履歴書とひらがなの手本について一部取り上げてみましたが、どの手本も一様に見えるかもしれません。

その中でも、ひらがなの結びの形であったり、微妙な曲線に注目してみると、いくつかの差異に気付けることと思います。

それぞれの手本について少しでも見分けがつくようになったら、後はもう、その手本が好きか嫌いかといった感情的な取捨選択になります。様々な手本を手にとって目の肥やしとしながら、お気に入りの手本を見つけてください。

書きぶりの好みで選定しても大丈夫

ペン習字の手本選びについては、わがままに選り好みした方が練習継続の一助になると考えています。「好き」による推進力は何ものにも代えがたいからです。

  • ふわっとして温かみを感じる手本が好き。
  • 起筆や折れがしっかりと決まり、基本に忠実な手本が好き。
  • 落ち着いてしっとりとした、趣を感じる手本が好き。

「この字はなんか好きかも」「ちょっと書いてみたいかも」そういったフィーリングで習う手本を決めてしまっても、私は全く構わないと思います。

少なくとも、ペン習字においてトレンドに乗るという行為はあまり意味を成さず、先生の肩書きが素晴らしいから、権威のある団体だから、友人が強く勧めてくれたから、といった主体性がない理由で習う手本を決めてしまうと、遅かれ早かれ挫折に結びつきやすいです。

個人的な経験としては、手本に対する強い憧れがモチベーションを大きく左右するため、感性の赴くままに決めた手本の方が結果的には長続きするように感じます。

次のページ
ペン習字を自宅で学ぶ3つの方法
  1. 人気がある手本=優れた手本 という図式では決してありませんので、その点だけは明示しておきます []
スポンサーリンク

シェアボタンから、この記事の情報をおすそ分けできます