硬筆書写検定3級を受験するにあたって知っておきたいコト

3級を受験するにあたって、必要な手続き・費用・筆記用具・求められる知識など、知っている限りの情報をまとめておきます。

3級の受験手続き

願書を入手するには

インターネットで願書を手に入れるのがもっとも簡単な方法です。

日本書写技能検定協会の公式サイト内にある、個人向けの『受験願書請求フォーム』から申し込みます。

後日、受験に必要な書類が届きますので、案内にしたがって申し込み期間内に手続きを済ませます。

受験費用は?

3級の受験料は2,100円となっています。

受験日時と申し込み期間

書写検定は、全国の試験会場で年に3回、実施されます。

第1回
試験日:6月中旬
申込期間:4~5月下旬
第2回
試験日:11月上旬
申込期間:9月~10月中旬
第3回
試験日:2月上旬
申込期間:12月~1月中旬

詳しい試験日は、検定協会の公式サイト「トップページ」で確認してください。

3級の試験問題と合格ライン

試験時間は60分。各問100点満点で計10問が出題されます。

実技問題の内容

第1問
速書き(4分以内に115字)
第2問
漢字10字を楷書と行書で書く。
第3問
行書を含めたタテ書き。
第4問
楷書によるヨコ書き。
第5問
はがきの表書き。
第6問
掲示文(ヨコ書き)

実技問題は6問。600点満点のうち、合格ラインは415点以上です。

理論問題の内容

第7問
部首の名前を答える。
第8問
筆順の正誤を答える。
第9問
草書を文中で読む。
第10問
誤字の訂正。

理論問題は4問。400点満点のうち、合格ラインは275点以上です。

双方が合格点に達して、3級合格となります。

3級の難易度と受験の目安

ウィキペディアによると、硬筆書写検定3級の難易度は「中学校卒業程度」とあります。

一概に中学生レベルと言われても、どの程度書ければいいのか、その難度を推し量るのは難しいところです。個人的には「実技問題で行書を正しく書けるか」が3級を受験する目安になると思っています。

パイロットペン習字通信講座を受講している人は、級位が6級に達したとき。たとえ受験する気がなくても、楷書・行書の課題を網羅する2年修了時には、3級相当の実力は身についていることになります。

そんなにかかるの!?と思われるかもしれませんが、他にも日ペンのボールペン字講座では、6ヶ月程度で楷書・行書の基礎が学べ、使用教材と個人の努力次第で3級受験までの準備期間は短縮できます。

理論問題は、ほぼ暗記問題でそれほど難しくはありません。「漢字の部首名」「正しい筆順」「簡単な草書」これらの対策が出来れば安心です。

行書の利便性については追々触れていくとして、3級では、簡単な行書が書けるようになると合格率が大きく上がります。

3級の受験対策

何かしらのペン習字講座は受講しているものとして、さらに参考書を併用すると、手際よく問題を解けるようになります。

揃えておきたい参考書について

『硬筆書写検定3級 合格のポイント』

『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』
狩田 巻山 (著)
日本習字普及協会

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何はなくともまずはこの一冊から。数年分の過去問から実際の試験内容が分かります。

実技問題を解説したページでは、模範となる答案例やワンポイントアドバイスが載っています。採点の評価基準を把握できる点で心強いです。

理論問題の項では、常用漢字の筆順や部首名など、最低限覚えるべき知識を網羅してあります。

良くも悪くも、3級を受験するにあたって必要な項目を広く浅く押さえてある印象です。本書を足がかりとして、さらに踏み込んだ実技対策の参考書に手を伸ばせるといいのですが、いかんせん書写検定に関する参考書はその種類が少なく、実技に関してはこの一冊でどうにかするしかないのが現状です。

ただ実技対策については、短期間に集中して過去問を解いたところで力が付くものではありません。書写検定に対応した通信講座や競書誌を通して、受験する級位に見合った実力を身につけていくのが正攻法かと思います。

本書は、改訂版が毎年でていますが、変更箇所は過去問の更新のみです。手頃な中古本が1冊あれば十分です。

『正しい筆順が身につく漢字の上手な書き方練習帳 硬筆書写検定3級対応』

『正しい筆順が身につく漢字の上手な書き方練習帳 硬筆書写検定3級対応』
加藤 泰玄 (著)
日本能率協会マネジメントセンター (2012/3/1)

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3級の理論問題で問われる「漢字の筆順」や「部首名」を踏まえつつ、ペン習字の基礎が学べる一冊になっています。

上で紹介した『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』では、草書を読む問題について「文章の流れから草書体の漢字を判読できるでしょう」といったアドバイスにとどまっており、やや心もとないです。

本書には、巻末に常用漢字の楷書・行書・草書が載っています、

  • 独学で3級を受験する人。
  • 『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』だけでは少し不安な人。

といった人には心強い教材になるかと。

「正しい筆順からペン習字を学ぶ」といった切り口で、前半はペン習字の基礎について解説。後半は、検定協会の審査員でもある著者が3級の模範答案例を示す構成になっています。

『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』

『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』
江守 賢治 (著)
岩崎芸術社 (1995/09)

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こちらは理論問題に特化した参考書です。

書籍のタイトル通り、硬筆・毛筆書写検定の1~5級の理論問題に対応しています。ただ、3級を受験する段階では、参考にできる箇所がかなり限定的です。必携ではないと思いますが、参考までに紹介しておきます。

手びきだけでは不安に思われる人たちのために、この本を書きました。

この本は、手びきの中にある説明をさらに詳しく説明し、また親切な参考資料をたくさん加えてあり、手びきとこの本の2冊を持てば、もう鬼に金棒だと思います。

江守質治 『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』 岩崎芸術社 (1995/09)

『硬筆書者技能検定の手びきと問題集』

『硬筆書者技能検定の手びきと問題集』
日本習字普及協会 (1992/03)

先ほどの引用に出てきた「手びき」が本書になります。

内容自体は、『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』と重複しています。

受験者の合格答案例が載っている点では唯一無二の参考書なので、合格ラインとなる書きぶりが気になる人は検定協会に直接問い合わせるか、ヤフオクから入手してください。

この2冊があれば大丈夫

上記2冊があれば、3級の受験範囲はすべて網羅できます。

『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』は必携です。実際の試験問題を知るだけでなく、採点の基準となるであろう解説部分がたいへん参考になります。

2級合格を視野に入れている場合は、早い段階で『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』を読んでおきましょう。理論問題で対策すべき項目がコンパクトにまとまっています。

その上で、草書を読む問題が不安なときは、『正しい筆順が身につく漢字の上手な書き方練習帳 硬筆書写検定3級対応』を買い足す形で。

当日使用する筆記用具について

最低限必要となるのは、

ボールペン
速書き問題では、ボールペンのみ使用可。
実技・理論の問題全般で使用。
鉛筆
掲示文を書く際の下書き、配字のアタリをつける際に使用。
消しゴム
下書き線を消すために。
定規
まっすぐな下書き線を書くために。
油性マーカー
掲示文の問題で使用。

これらに加えて、人によってはデスクペンもしくは万年筆を使用します。

特に実技問題では、使い慣れた筆記具で運筆するのが肝要です。たとえば掲示文を書く問題では、新品の油性マーカーで書くよりも、やや使い込んだものを使った方が穂先がほぐれ、幾分か書きやすくなります。他にも、毛筆風の筆致となる「コピック」を使う手もありますが、使いこなすには相応の慣れが必要です。

といった具合に、試験のために新調した筆記具を使うのではなく、緊張した場面でも勘を取り戻しやすい筆記具を使うのも一つのコツです。

不明瞭な点について検定協会に問い合わせてみました

会場によっては、試験官による注意事項がやや異なるようです。気になる点について実際に問い合わせてみました。

下敷きの持ち込みについて

無地の下敷きなら使用は可能。もしくは、問題用紙と一緒にコピー用紙が配布されるので、こちらを下敷きとして使用してもよい、とのことでした。

このコピー用紙は、油性マーカーの裏抜けによるインク汚れを防ぐための紙です。私が受験した会場ではコピー用紙を2枚もらい、「これを下敷きとして使ってください」との説明を受けました。

答案用紙への下書きについて

文字を配置するための目印程度なら可。その際は、下書きの跡が残らないように消した上で答案用紙を提出すること。なお、文字を下書きしてから清書する行為に関しては一切禁止、とのことでした。

つまり、答案用紙に補助線を引く行為は概ね許可されているようです。この点については、検定協会が主催する講習会でもやや遠回しな表現ではありましたが、同じ旨の説明を受けました。たしかにアタリ線なしで首尾よく書けるのがあるべき姿ではありますね。

また、配布されるコピー用紙についても、使い方を制限するような規則は特に設けていないとのことでした。

試験会場の雰囲気を知るためにもまずは3級から

試験当日までにしっかり練習したとしても、本番ではうまく行かないことがままあります。

それはたとえば、

  • 緊張して手の震えがおさまらない。
  • 試験官による事前説明がよく理解できないまま試験が始まった。
  • 机の高さが合わない環境下で書かなければならない。

本来の実力を発揮できない要因はさまざまです。

私が受験した試験会場では、2人用の長机だったため、一方が消しゴムを使うと机が揺れてしまい、不要なところで神経を使いました。

そういった不確定要素を予め知っておくためにも、難易度がそれほどではない3級からの受験をこのサイトでは推奨しています。



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