2級 第2問の概要
硬筆書写検定2級の第2問は、二字熟語を楷書と行書で書く問題です。
日頃、ペン習字の練習に励まれている方は、一にも二にも手を動かすことでしか書字の習熟度が上がらないのは、肌感覚でお分かりだと思います。
そういった地道に積み上げることでしか身につかない技術については、お持ちのテキストや先生方のご指導に託すとして、当サイトの書写検定対策カテゴリでは答案の完成度を少しでも上げるためのテクニックを中心にお伝えしていきます。
3級との違いは?
- 答案欄の変化
- 書き込み枠が 方眼マス → 短冊枠 へ
3級では漢字練習帳のような区切られたマスに一字ずつ書く答案形式でした。
2級からは、短冊形の枠内に5つの二字熟語を体裁よく書き込むため、配字の難易度が上がっています。
考えなしに書き進めると、楷書と行書の字粒が揃わなかったり、書き出す位置が異なってしまったりと、常に全体のバランスを気にかける必要がある問題です。
実際の合格答案例
(わかくさ通信 平成26年11月号より)
これは、2級第2問の合格答案例(2パターン)です。
片方の答案は、一文字一文字を等間隔に書いてしまい、問題の主旨を捉えきれていないようにも取れますが、これだけ端正に書ければ合格点がもらえるようです。
漢字の楷・行を書く第2問は、字形の正しさはもちろんのこと、熟語として認識できる文字の配置についても評点に関わります。こと配字に限っては、予備知識の有無が清書の完成度を左右します。
熟語を配置する場所を予め決めておくと答案が容易になりますので、その下準備の一例を紹介します。
字配りよく書き上げるための下準備
2級の第2問は、余白も含め、5つの熟語をどのように配置するか予め計画しておくと、答案する際の難易度が下がり、字形を整えて書くことに集中できます。
これは下準備が完了した状態の画像です(アタリ線が分かりやすいように加工してあります)。
やっていることは実に簡単で、
- 答案用紙には、文字の中心を示す小さな目印を書き記す。
- 下敷きとして配布される用紙には、熟語の配置箇所を示す補助線を書き入れる。
枠の中心を示す小さな目印と下敷き用紙の直線を重ね合わせることで配字しやすい書字環境が出来上がります。
具体的なやり方を説明すると、
試験前にできる準備として、定規の目盛りに配字箇所を示す目印を入れておきます。
第2問の答案欄がタテ191ミリである場合は、
- 天の余白 0.5ミリ
- 熟語 2.9ミリ*5
- 熟語間の余白 0.9ミリ*4
- 地の余白 0.5ミリ
このような配置が適しています。
試験中は、定規の数値を目で追わなくても済むように予め目印を入れておくと、答案時間を短縮できます。
参考までに、油性ペンで目印を入れる目盛り箇所を示しておきます。20センチ定規があると便利です。
ここからは試験中に行う実際の作業です。下敷き用紙に20センチ程度の直線を引き、定規に記しておいた目印に従って補助線を書き入れます。
答案用紙には、文字の中心を示す目印を書きます。ヨコの長さが20ミリですので、半分の10ミリ地点が枠内の中心となります。
下準備した答案用紙と下敷き用紙を一対にすると、このような書字環境になります。
下敷き用紙をずらすことで行書を書く際にも役立ちます。
答案欄のタテの長さが変わる場合も
第2問の答案欄は、年度によってタテの長さが191ミリから193ミリと微妙に変化するようです。
とりあえずは、この記事で紹介したタテ191ミリの場合の対処法を用意しておき、
- 答案欄がタテ192ミリの場合は…
- 地の余白を0.6ミリに変更する(プラス0.1ミリ)
- 答案欄がタテ193ミリの場合は…
- 天地の余白を0.6ミリに変更する(プラス0.2ミリ)
といった具合に対応すれば混乱しないと思います。
答案用紙に記した小さな目印は、試験終了までに必ず消すようにしてください。
さいごに 緊張のほぐし方について
試験中、緊張が高まるピークがあるとしたら、実技に取りかかる最初の問題ではないでしょうか。
緊張をある程度ほぐす意味も兼ねて、速書きが終わった後は理論問題を解き、肩慣らしをした後に実技の第2問から始める答案順序があります。それでもなお、指先の緊張が解けないときは、運筆のリズムが軽やかになる行書から書き始めるのもひとつの手です。
自分なりの緊張を抑える方法を編み出しておくと、いざというとき頼りになります。