手書きが苦手な人にとっては、3級の難易度が丁度いい
個人的には、硬筆書写検定の3級合格が「人に誤読されない字が書ける」ゴールラインになると捉えています。
私自身、過去の苦い経験を通して思うコトがあるのですが、手書きが苦手だと、人に読まれる字を書く場面で何かと苦労するんですよね…。
- 職場の上司に報告書を提出するも「悪いんだけど、この字はなんて読むの?」と顔をしかめながら聞き返される。
- 家族から祝儀袋の代筆を頼まれるも、書ける気がまったくせず、一向に筆が進まない。
- 手書きの履歴書や申請書などもってのほかで、完成までに時間がかかりすぎて嫌になる。
せめてもう少し読みやすい字が書けたら、手書き特有の不安感から解放されると思うんです。
上記のような手書きシーンで不自由な思いをしないための目安ラインが3級の合格となっており、硬筆の資格取得をきっかけに手書きコンプレックスは解消されていくものと考えています。
このくらい書ければ硬筆書写検定3級に合格できます
(『わかくさ通信』2016年3月号 より 3級の合格答案例)
(平成27年度板『硬筆書写技能検定の手びきと問題集』p101 より 3級の合格答案例)
これは実際に3級に合格した人のヨコ書き(第4問)の答案例です。
「え、3級の難易度ってかなり低めなのでは…」
「これくらいなら今の私でも書けそう」
上記の答案例を見て肩透かしを食らった方はごめんなさい。もともと書ける人にとっての3級とは、無勉でも合格点が取れる程度の難易度かもしれません。
でもですね、書けない側の人にとっては、まずは読み手が判読できる字を書くことが大きな一歩となり、字の練習を重ねていくうちに、TPO(時・場所・場合)に応じた書字ができるようになります。
読み手が思わずのけぞってしまうような実年齢に見合わない字を書いてしまう人にこそ3級受験に挑戦してみてほしいと思っているわけで、タイプ別に表すと次のような筆跡の人が当てはまります。
- タイプA
- 女子中高生の間でかつて流行った丸文字系の筆跡
- タイプB
- 金釘流その1
- ※金釘流とは、錆びて折れ曲がった釘を並べたような筆致のこと
- タイプC
- 金釘流その2 ちなみに管理人はこのタイプの字でした
これからお伝えする内容は、あまりの字の読みづらさのせいで「すみません、すみません」と相手に対して申し訳なさを感じてしまうような金釘流の人のために書きました。
私もかつては、ミミズが這ったような字しか書けなくて人前で書くあの緊張感が苦痛で仕方がなかったのですが、ペン習字という習い事を通して美しい字が書けるようになった、というよりは、見たものを正しく再現する能力「書写力」が身についたおかげで、まともな字が書けるようになりました。
- 女優・井上真央さんのような筆致(真似して書いてみました)
このくらい端正な字が書けるようになったら、どんな筆記場面にも対応できますし、その方法はいくつかあります。
ここでは、硬筆書写検定3級の合格レベルを目指して「硬筆の資格」と「美文字」を手に入れる方法について説明していきますね。
そこまでして3級を取得する意味はあるの?
硬筆書写検定の3級取得は、管理人の過去の経験を踏まえた上での「提案」に過ぎません。
私自身、「人が本気で行動できるのは、やるべき事を期限付きで決断したときだけ」と思っている節がありまして、がむしゃらになって頑張れる期間ってそんなに長くはないんですよね。
ましてや好きでもない事柄に取り組むなら、[締切]と[目標]の掛け合わせが重要です。ダラダラやると私のように途中で投げ出してしまいます。
早め早めでいくつかの小目標を着実にクリアしつつ、できれば半年から1年以内には大々的な結果に結びつけたいところ。
とするなら、やはり硬筆書写検定の3級合格が丁度いいゴール地点になります。
- これまで練習してきた成果を資格として残せる。
- 国が後援している検定なので、取得した級位は履歴書の公的資格欄に記入できる。
- 理論問題は、義務教育の知識内で対応できる難易度。
粗雑な手書きが改善されて、硬筆の資格も取れる。
このような目標をニンジンとして掲げて、いちど本気で頑張ってみる取り組みは、なかなかいい作戦だと思っているのですが、いかがでしょうか。
3級合格によってその後の分岐点がはっきり見える
硬筆書写検定3級のレベルは、社会人として恥ずかしくない字が書ける具体的な尺度ともいえます。
3級合格をひとつの区切りとして「もっと字が上手くなりたい」と感じた人は、ぜひ2級に挑戦してみてください。書字が上達していくにあたって、とても良い流れに乗っていると思います。
「3級に合格できたから、ひとまずこれで良いや」と感じた人、手放しで賞賛します。自分へのご褒美として合格記念の万年筆を手に入れるのもいいですし、新しくやりたかった事に時間を割くのも良いですね。
さらなる高みを目指すも良し、途中下車するも良し、そういったひとつの転換点となるのが硬筆書写検定の3級取得なのですね。
手書きによる美しさは具体的な数値として表すのが難しく、自分が納得できる形に昇華するまで一体どれほどの練習が必要なのか分かりにくいのが常です。
その点で、現在の書字力を点数化してもらえる硬筆書写検定は、明確なゴール地点に向かっていく「やりがい」や上達の実感をしかと味わえる意味でも挑戦してみる価値があると考えています。
3級合格をサポートする資格講座の紹介
手本や資料を持ち込めない書写検定で頼りになるのは、訓練を重ねた自分の腕だけです。
「理論問題は何とかなりそうだけど、実技の答案がちょっと不安…」
という人は、ペン習字の基本を学んで基礎力を底上げすることが先決です。
教室に通えない事情を抱えた人でも大丈夫。硬筆の技術は通信教育でも学べます(ちなみに管理人は通信添削による指導で書字が上達しました)。
以下の記事では、3級攻略のポイントを踏まえながら、通信講座をどのように活用していくのか詳しく解説していますので、よかったら参考にしてみてください。