ためしてガッテン10月8日放送分の備忘録。
- テーマ
- クセ字・悪筆からの脱却、1時間で美文字にする方法
- サブテーマ
- キレイな字が書ける人とそうでない人の違いを科学的に解明する
筆跡はごまかせない
- Aさん(主婦)
- Bさん(会社員)
- Cさん(書道の先生)
Aさんの筆跡を他の2人に模写してもらったが、Bさんはおろか、書道の経験があるCさんでさえ、完璧に真似ることはできず、自身の個性が表れてしまった。
筆跡はどこから来るの?
詩画家で知られる星野富弘さんは、24歳のとき、事故で首から下の自由を失ってしまった。入院中、口に筆をくわえて字を書く練習を重ねたところ、上達するにつれて手で書いていた頃の筆跡へと変化した。
手が字を書くのではない。脳で書いている。
脳内文字と呼ばれるモノ
人の行動に対する脳活動を調べたとき、
- 耳に入った言葉を口にすると
- 言葉の処理に関わる脳部位、言語野が活動した。
- 耳に入った言葉をイメージすると
- 同じく、言語野が活動した。
- 耳に入った言葉の文字を思い浮かべると
- 言語野に加えて、もう1つの脳部位が活動した。
脳には、「文字の形」を蓄えておく場所がある(と考えられる)。私たちはこの脳内文字を用いて字を書いている。
字が下手になる仕組み
大抵の文字は小中学校のうちに習い、教科書のキレイな楷書が脳内文字として記憶される。しかし、時間が経つにつれて脳内文字の形がぼやけてくる。すると、普段から目にする自分の筆跡が脳内文字として上書きされてしまう。
- 崩れた形の脳内文字を呼び出す。
- 上書きされる。
を繰り返すうちに、筆跡に個性が表れる。
つまり、自筆を矯正するには、キレイな文字の形を脳に何度もすり込めば良い。ただし、時間がかかる。
字がキレイになるおまじない「キントウ」
人間の脳には、線同士の空間が統一されていると美しいと感じる感覚野がある。「均等均等・・・・・・」と唱えながら文字のすき間を揃えるように心がけると、整った字が書けるようになる。
この辺は、六度法の基本ルール「等間隔に書く」と似てるかも。
速書きすると文字が崩れてしまう。どうすれば?
手首の辺りを固定し、指先が大きく動く持ち方を身につける。
親指、人差し指、中指の3本で三角形を作るようにして、なるべく指をゆったり伸ばした状態でペンを持つ。握り込むような持ち方では、ペン先の可動範囲が狭まり、文字の形が崩れやすくなる。
雑感
キレイな字を書くためのハウツー情報だけに留まらず、意外な切り口から整った字を書く人の感性や技術に迫り、その実証法もお茶の間の視聴者が理解しやすく、且つ興味を引く内容とかさすがNHK。なんでも今回の放送分に費やした制作期間は約3ヶ月とのことで、密度が濃い内容だったのも合点がいきます。
「似通った筆跡を持つ双子の姉妹が、短期間の練習でどれだけ字を矯正できるか」という企画について。お姉ちゃんは、市販のテキストを1日4時間近くがっつり書き込むルートで攻略するも、4日間という期間では、さほど変化しなかったように見受けられました。やはり整った字形を脳にすり込む練習法は、一朝一夕とはいかないようです。
一方で妹さんは、字がキレイになるおまじない「均等」を活用。しかし、放送内の見どころになるであろうその効果も、恐らく視聴者が期待する驚きには至らなかったかもしれません。正直あんまし変わってなかった。
ただ、読みやすい字に変化していたのは事実で、1時間の練習結果としては、十分な成果だったのではないでしょうか。「均等」のおまじないは、文全体のバランスを整える矯正法と捉えた方がベターかも。
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