「字が汚い」 「絵心がない」 「音痴」 長い間抱えている私の3大コンプレックスです。
このうち、字の汚さはペン習字を習うことで払拭できましたが、人前で歌うこと、絵を描いて説明することに関しては未だに何らかの理由をつけて未然に回避しています。
最近、考えついたことがありまして、ペン習字で得た気付きは「絵を描くこと」にも役立つのではないかと。
ペン習字と絵心の関係について自分なりに検証した話、全2回のうち第1回目は、お絵かきゲームソフトを使って絵心センスが人並みのレベルにまで上がった話です。
- 第1回 – 「ポケモンアートアカデミー」で長年こじらせた絵心が好転した話
- 第2回 – 「字が上手くなる方法」と「絵が上手くなる方法」には共通点が多い?
この記事を3行でまとめると…
- 絵心を鍛えるために「ポケモンアートアカデミー」をプレイしてみたよ。
- 珍しくダレずに最後まで続けられた。その理由ってなんだろう。
- 販売対象が小学生向けであることを焦点にして考えた。
もくじ
- 私の絵心レベル
- ポケモンアートアカデミーのココがよく出来ている
- その1.スモールステップで無理なく成長を促す
- その2.途中から求められるレベルが飛躍しない
- その3.気持ちよく勝たせてくれる
- 楽しく描ける絵心が画力の向上に繋がる
- 絵心をこじらせた人間の処方箋になった
- 時代は「妖怪ウォッチ」らしいけど
私の絵心レベル
唐突ですが、「フォッコ」という炎タイプのポケモンをペイントソフトで真剣に描きました。自分で自分の古傷をえぐった結果、落書きすら描くのをためらっていた人生に改めて合点がいきました。心が痛い。
ピクシブでお気に入りのイラストを見るたびに「自分の思ったように絵が描けたらどんなに楽しいだろうか」と思います。
この程度しか描けない私が、「絵は表現や伝えるための手段に過ぎないのだから、上手い下手は関係ない」などと言い訳したところで惨めになるだけです。
全てのモチベーションを無にする「下手だから描いても楽しくない」ここをどうにかしたいと思い、ポケモンを上手に描くためのハウツーソフト「ポケモンアートアカデミー」をプレイしてみました。
ひと通りテクニックを学んだあとで、描き直してみると。
ポケモンを描くのが上手くなって喜ぶ年齢ではないにしても、まさかここまで描けるようになるとは思わず、手放しで嬉しいです。
ポケモンアートアカデミーのココがよく出来ている
CMの内容からも分かる通り、ポケモンアートアカデミーは低年齢層を対象としたソフトです。
「これはやりおる」と思ったポイントは3つ。
- スモールステップで無理なく成長を促す。
- 途中から求められるレベルが飛躍しない。
- 気持ちよく勝たせてくれる。
「とにかく褒めて飽きさせない作り」になっています。
その1.スモールステップで無理なく成長を促す
事細かな説明で描く手順をステップバイステップで実演してくれます。
イラストが完成するまでに必要な作業が予め細かく分解されているので、説明通りに手を動かすだけで手本とそっくりな絵が描けるようになります。
レッスン4の「マーイーカ」を描く回。イラストを描くにあたって必要なアタリの解説やその手順の説明を受けるシーンです。
崖から蹴落として「登ってこられる人だけついて来てね」といった大きな負荷をかけて成長させるやり方とは真逆で、絵が上手くなりたいと願って始めた全てのプレイヤーを漏れなく救済する姿勢に好感が持てました。
かといって、何かにつけて丁寧に説明されると鬱陶しく感じます。主役は常にプレイヤーである点は配慮されており、自分の好きなモチーフを描くために必要となる基本的な技術や知識をシンプルに解説してくれます。
それぞれのステップが簡単にクリアできるため、程よい達成感を感じながら作業を積み重ねるうちに1枚絵がいつの間にか完成してしまい、「え、もう終わり?」と思うことが何回もありました。
1つのレッスンにつき、復習を兼ねたサブレッスンが2つあります。教えてもらった描き方を別のポケモンで再現する過程で、プレイヤー自身が学習の習熟度を把握できる狙いがあります。
その2.途中から求められるレベルが飛躍しない
参考書を使った学習によくあるのが、途中の章から難易度が飛躍的に上がって理解が追いつかないパターンです。教えを乞うのが難しい環境下ではすぐに詰んでしまいます。
ポケモンアートアカデミーのレッスン1では、水タイプのポケモン「ミジュマル」を描くのですが、誰でも簡単に出来る塗り絵から始まります。
ポケモンの「正面顔の塗り絵」 → 「斜め顔の塗り絵」 → 「全身の塗り絵」といった順に無理のない範囲で難易度が上がっていきます。
どのレッスンも講師の説明をしっかり聞いていれば達成できる難易度で、およそどうやって描いたかも見当がつかないイラストを提示してそのプロセスは自分で考えろといった意地悪な課題はありませんでした。
以下にレッスンの内容をまとめてみました(ネタバレ注意)。
- 入学テスト – ピカチュウ
- 基本操作をおぼえる。
- レッスン1 – ミジュマル
- アウトラインペン、マーカーペン、けしゴムの使い方を習う。
- レッスン2 – フォッコ
- 線の太さを変えてフォコの横顔を描く。
- レッスン3 – トゲピー
- トゲピーの全身を描く練習。
- レッスン4 – マーイーカ
- 下書きから始める描き方を習う。
- 進級テスト1 – ピカチュウ
- ビギナーズコースのおさらいを兼ねてピカチュウを描く。
- レッスン5 – ビリリダマ
- 影のつけ方を習う。
- レッスン6 – ヤヤコマ
- 鉛筆を使って「ハッチング」というテクニックを習う。
- レッスン7 – ジラーチ
- 絵の具を使ってやわらかいタッチ絵の描き方を習う。
- 進級テスト2 – ピカチュウ
- アドバンスコースのおさらいを兼ねてピカチュウを描く。
- レッスン8 – ロコン
- パステルとサッピツの使い方を習う。
- レッスン9 – ラプラス
- アメコミ風のタッチで描く練習。
- レッスン10 – リザードン
- ほのおや光の描き方を習う。
- 卒業テスト – ピカチュウ
- これまでのレッスンで習ったことを活かしてピカチュウを描く。
リザードンのレッスンは完成絵を見た時点で無理ゲーだと思ったけど、最終的にはそれらしくなっていた。何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…(ポルナレフAA
全編を通してみると超えるべきハードルはいくつかあるかもしれません。
私の場合、大まかなアタリを取って全体のバランスを俯瞰しながら描き進めるという概念がなく、顔なら顔、手なら手だけをパーツごとに完成させて組み合わせると思い込んでいたものですから、意識の転換といった意味では考えをリセットしないといけない場面が出てくるかと思います。
その3.気持ちよく勝たせてくれる
このソフトのあらすじには、ポケモンイラストレーターを養成する学校「ポケモンアートアカデミー」に入学し、同期の友だちと一緒に、講師・アンディ先生から色の塗り方や形の捉え方を学ぶ、という設定があります。
各レッスンを修了すると、同期入学の友だちが完成した絵をわざわざ披露してくれます。
先生の言う通りに描いたらここまで突飛な絵にはならないと思うのですが、この演出によって「これは勝ったな」と喜ぶ人もいれば、「そういうアプローチもあったか…」とどこか安心したり、仕上げたイラストに対する満足度を高めてくれます。
個人的にこの子から感じたのは、どのレッスンにも興味津々で、描くのがたまらなく好きなんだろうなということ。絵を描く楽しさから絵心が育まれ、その延長線上に画力の向上があるのだと感じました。
形が上手く取れないってだけで、先生から教わった技法はちゃんと出来ているんですよね。
楽しく描ける絵心が画力の向上に繋がる
似たような大人向けソフト「新 絵心教室」は、途中で挫折した経験があります。
世界の巨匠が残した名画を参考に絵画の理論やエッセンスを学ぶ内容でしたが、それぞれのステップでやることが完成絵にどう繋がるのかがイマイチ掴めず、描かされている感が強いばかりでした。さくらんぼやチューリップといったモチーフ自体に興味がないので、もう一度描きたい気持ちも沸き起こらず。
「ポケモンアートアカデミー」では、随所に散りばめられた飽きさせない工夫もそうですが、かわいい挿し絵を描きたい気持ちとイラストを描くためのあらゆるハウツーが釣り合ったようで、最後まで進めることができました。
絵心をこじらせた人間の処方箋になった
お絵描きレッスンの過程で気付いたのは、絵心がないにも関わらず自己流で描こうとしていた愚かさでした。私自身を構成している原料には、美的感覚が無添加に近いのだから、絵を描く心得を別途に調達する必要があったのです。
モチーフの捉え方や色塗りの引き出しが増えて強く思うは、出来るようになるから好きになるのであって、好きだから出来るようになるのではないことでした。表現のためのルールを知らなければ表現などできないのです。
基礎が備わっていないうちから自己流で書いたところで、それは自分勝手な我流に過ぎず、大抵は独りよがりで終わってしまう。これはペン習字にも当てはまる考えです。
理想とする完成図とは明らかに違うのに、どこをどう直したらいいのか分からない。この気持ちを汲んでくれる存在にもっと早く出会っていたら、絵心に対するコンプレックスをここまで引きずっていなかったでしょう。
「さあ、好きに描いてごらん」そんな自由画教育を象徴する言葉に存分に苦しんだ私にとって、ポケモンの上手な描き方を教えてくれるソフトは、思ったように書くための基礎や約束事を教えてくれました。
時代は「妖怪ウォッチ」らしいけど
12月公開の映画「妖怪ウォッチ」メダル付き前売り券を求める行列…(の中にいます。6時に来たのに買えるかどうかわからんらしい。死ねる) pic.twitter.com/kM5SwveJn3
— 宇野維正 (@uno_kore) 2014, 7月 18
ピカチュウ来てるけど客すくねえwwwwwwwwwwwwwwwwwww pic.twitter.com/5TAFP866XA
— きゃい (@ruinoxxvii77) 2014, 7月 19
子どもって残酷なほど正直だなと思った。
コメント
手本どおりのポケモン絵は安定してますけども
私が、強烈に印象に残ったのは最初の絵です。
個性溢れてます。
失礼で本当にすみません、笑い転げてしまいました。
私の場合、ドラえもんを想像で書いてもきっとおかしなことになると思います。
何かしら心に残るものがあってよかったです。
恥を忍んで公開した甲斐がありました。
よく見ると、ポケモンであろうが、人であろうがアタリの取り方が大体一緒だった。
やっぱみんな生き物なんやなあ。
私もアートアカデミー買って全レッスンをしましたがここまで上達しなかったのでこの上達っぷりはすごいと思います。
1枚めからしてぼくの10倍はうまいとおもった(こなみ)
上達したなぁ〜
フォッコ可愛くなってる❗️
すごすぎる…
失礼かと思いますが私は手本の絵を見ただけでルカリオやレントラー描けました
私は伝説を手本だけでかけますよ
お前ら…自慢話はそこらへんにしとけ
やっぱりポケモンアートアカデミーって凄いんだな(KONAMI館)
やってると確かに上手にかけた❗
やりたい(-ω-)
コメントをどうぞ!!!!!
カイオーガがかけた
凄すぎる。
僕もポケモンアートアカデミーやったことあるけど、ここまでうまくなりませんでした。
ずこくない