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手書きフォントを手書きしたい(続き)

前回の続き。

総練習時間は約2時間でした。

練習中

チラシの裏に書いて、書いて、がしがしと書いて。

見ながら書いた字

お手本を見ながら書いた字と、

見ないで書いた字

何も見ずに書いた字。

全然おいしそうに見えませんでした。がっくし。ってのはそんなに重要じゃなくて、お手本なしの状態でも文字の特徴がなんとなく思い出せて、それなりに似せて書く方法とやらをまとめてみたかったんです。

「手本をよく見て書け」と言われても……

市販されているペン字の書籍には、まるでまじないのように「お手本をよく見てから書きましょう」との言葉が記されています。しかし、どこまで注視すればよく見たことになるのか。この辺を説明した本は意外と少ないです。

恐らく著者の意図としては、点の位置から払いの角度、線の太さに至るまで、そのすべてを寸分狂わずに書写して欲しいのでしょう。「まさか、そんなめんどうな」と思うかもしれませんが、実に事細かに朱が入った添削結果を目の当たりにすると、「ペン字は勘や直感を駆使して書くものではない」と気付かされます。

というわけで今回は、ハウツー本でもあまり言及されていない「与えられた1つの文字について、どのように観察するか」について取り上げてみたいと思います。

※あくまで私個人のやり方です。

観察方法 その一例

木の実

この3文字を使ってお手本の見方の一例を挙げていきます。

垂直・水平線を使う

使用頻度:★★★★★

垂直線を使う

それぞれの点画の位置関係を調べるのによく使います。お手本とのズレを簡単に見える化できる非常に便利な手法でもあります。フリーハンドでも代用可。

水平線を使う

垂直線と水平線を組み合わせると、見方のバリエーションがぐんと広がります。

線分の長さを測る

使用頻度:★★★★★

線分の長さを測る

「どの辺に縦画を置こうかな。そして、どこまで引けばいいのかな」と迷ったときに使って欲しい方法です。線同士が交わった部分を境に、区切られた2つの長さを対比させると、より正確な線が引けるようになります。

余白の形を捉える

使用頻度:★★★☆☆

余白の形を捉える

文字を「線」ではなく、「空間」として捉える観察方法です。「ほ」「ま」「な」といった結びが入る箇所などにも使えます。ひらがなのような曲線が多い文字に有効な手段です。

初めのうちは意識の転換にやや戸惑うかもしれませんが、これができるようになると、同じ文字を書き続けることによって引き起こる「ゲシュタルト崩壊」までの時間を引き延ばせます。

4分割する

使用頻度:★★☆☆☆

4分割する

あまり使いませんが一応。縦と横の中心線をそれぞれ引いて4つのエリアに分割し、それぞれの空間で形を把握する方法です。転折する箇所を測ったり、余白の大きさを確かめたりと、より正確に書写したい場合に用います。

十字リーダーが入った漢字練習帳との併用を推奨します。

とにかく「なぞる」

使用頻度:★★★★☆

なぞる

初めてその文字を書くときに。行き詰まったときに。軽く復習したいときなど、様々な場面で活用できます。1回なぞるごとに意味を持たせると覚えが早くなります。

外形を捉える

使用頻度:★★★☆☆

外形を捉える

文字の輪郭を△や○、□などの図形に当てはめると効率よく覚えられますよ、といったハウツー本によく載っている項目。あまり役に立った記憶はありませんが、意識して使えばなかなかのモノです。

おさらい

組み合わせて見る

以上の見方を組み合わせると、こんな感じになります。もちろん、このやり方が正解というわけではありません。自分にとってやりやすい方法で観察してみてください。

「いやいや、めんどくさすぎるだろ」と思う人は目視でも構いません。とにかく客観的に判断できる情報をたくさん与えて、より正確に書写できる環境を整えてやることが、上達への近道になると思います。

おわりに

知ってる人は知っているありきたりな内容かもしれません。今まで主観や感性に頼りながら練習していた人にとって視野が広がるきっかけになれば嬉しいです。

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