結婚して子どもを持つと、目に見えて増えるのが手書きの書類です。
特に学校関係の提出物はアナログな手書きがなにかと多いもの。
親の字が拙くて子どもっぽいと、「生徒が勝手に自分で書いた」と担任の先生に勘違いされることがあるって知ってました?
これ、授業参観の出欠を確認するときに実際にあった話なのですが、帰宅してから「母さんのせいで誤解された」とぼやかれたそうです。
自分だけが恥をかくならまだしも、乱れた字のせいで子どもまで巻き添えにするのは、なかなか辛いものがありますよね。
息子まで丸っぽい字になっているのは、もしかしたら親の筆跡を真似していたという可能性も……あり得ます。
「私と似たような字を書かせないためにも何とかしなくては」
「でも仕事の都合で教室に通う時間がない」
という人のために、このページでは、自宅でも出来る"本格的な字の練習方法"について3つ紹介します。
"ママは悪筆だった"という汚名を被る前にその原因を少しでも改善しておきましょう。
美文字練習帳【100均】お試し練習に最適
字の練習を手軽に体験するにあたって100円ショップの美文字練習帳はたいへん使い勝手がいいです。
もし続かなかったとしても、それほど痛くない出費ですからね。
100均練習帳の中でも、セリア版の手本は特に字形が整っている印象を受けました。
セリアで手に入る『美文字が書けるボールペン練習帳』は、
- ひらがな・カタカナ
- 手紙のマナー
- 美しい履歴書の書き方
などを練習できる30ページほどのミニ冊子です。
- ココがすばらしい
- (印刷した活字ではなく)先生の手書き文字を手本にしている。
- 「手本のなぞり書き・書き写し」など一連の練習メニューをお試し体験できる。
- ココがイマイチ
- 単にテキストに書き込むだけでは上達しない人もいる。
自分に合ったペン字練習帳を探し出す自信がない人は、ひとまず100円ショップで手に入るテキストから始めてみてください。
習い始めた人にしか分からない「?」マークがたくさん浮かぶはずです。
- 頭では分かっているけど、手が思い通りに動かない。
- 結局、手本がないと上手く書けないんだけど、どうすれば……。
といった疑問を次のステップで解決していきましょう。
市販のペン字教本【約1,000円】2つの上達法を選択できる
(DVD付きの教本がススメ)
書店で手に入るペン字教本は、工夫を凝らした独自の上達ノウハウが目白押しです。
大きく分けると2つの練習法がありまして、
- 手本を正確に真似る「従来の書写練習法」
- 短時間で美文字化する「かんたんルールを覚える練習法」
「目指す上達レベル」と「費やす期間」によって適した上達法を選べます。
関連 2つに分かれるペン習字の上達ルート【短期間 or じっくり】
- ココが良かった
- 自分に合った好きな手本、練習法をいろいろ選べる。
- ココがイマイチ
- 途中から「行書」を習うテキストが多くある。
- 最後のページまで進めることが難しく、達成感を得にくい。
「行書」を習うことに消極的な人は、残念ながら選べるテキストの種類がだいぶ減ってしまいます。
「まずは『ひらがな』つぎに『楷書』をしっかり書けるようになりたい」という要望に応えたテキストは少ないのが現状です。
なので少し歩み寄って、楷書に近い「かんたんな行書」を習うことも視野に入れておくと、選べるテキストの幅が広がり、完走できる確率も高まりますよ。
行書、書けるようになるとめっちゃ便利なんですけど、習うまでのハードルがすこし高いですよね。
ペン字通信講座【月々2000円ほど】硬筆の基礎がきちんと身につく
(クセ字の改善箇所を教えてもらえる)
添削と教材がセットになった通信講座は、自分のクセ字を根本的に直したい人に需要があります。
最近では、先生のペン運びを収録した「解説付きDVD」を特徴とするペン字講座が増えつつある状況です。
いきなり通信講座から始めた人の話
私がペン習字を始めたのは、とある通信講座がきっかけでした。
その当時、字が汚すぎて1日でも早く直せればと、すがる思いで「すぐに効果を実感できます」と噂のボールペン字講座に申し込んだのですが……。
広告文をすっかり鵜呑みにしていたせいか、3ヶ月ともたず挫折してしまいました。
「通信講座は、自己管理ができない人には不向き」とよく言われますが、私の場合はそうではなかったです。
突然襲ってくる「虚無感」だったんですよね、挫折した原因は。
「ひたすら手本を真似する練習に意味はあるのか?」と思い始め、手が止まってしまったのです。
事の顛末は別記事にまとめてあります。興味がある方は読んでみてください。
関連 【実録】実用ボールペン字講座を修了しました。その効果について
「意味のある書写」が出来るようになるまでが大変だった
「言われた通りに繰り返しやっていればいい」といったトレーニングにあまり効果がないのは何となく分かりますよね?(だらけた雰囲気の部活とかでよくある光景)
私はまさにそのパターンでした。ズレた状態での反復練習を黙々と続けていたのです。
今だから分かることなのですが、字の上達には、いくつか乗り越えるべき壁があります。
自身が抱えている様々なズレをどのようにして気付き、修正するか── ペン習字の最初の難関です。
丁寧にサポートしてくれる「何か」に頼った方が学習は円滑に進むことを踏まえると、「個別添削」がセットになった通信講座は、それまでの"勝手な思い込み"を解きほぐす上で重宝しました。
自分の限界に挑戦すると伸びしろが発生する
「自分の字ってどのタイミングで上手くなるんだろう」と考えたとき、それはおそらく集中力が極度に高まった状態で失敗したときだと思うんです。
特に添削課題に挑戦したときの「それでも書けないもどかしさ」は成長のバネになりました。
- 「この出来ではさすがにマズイな。もう1枚だけ書いてみよう」
- 「あれだけ練習したのにまた同じ失敗。この文字だけは再練習しておこう」
- 上手く書けたつもりだったけど、あとで見返したらバランスが崩れていた。「次に活かさないと」
失敗後のリトライを繰り返す習慣が身についてから上達スピードは明らかに変わりました。
持てる力を全て出しきったけれど歯が立たなくて、でもあと少しだけ頑張れば何とかなりそうな気がする、そういった手の及ぶ範囲での悔しさが成長の糧になっていくと思うんですね。
もし本気でペン習字に取り組むなら、「ペン」「ノート」「手本」の他に「課題の完成」を含めた4点セットを基本に今後の進路を考えてみてください。
もちろん至らない点を講師から指摘してもらうことも大切なのですが、伸びしろが発生する瞬間は、課題を仕上げたその直後にもありました。
ペン習字に価値ある投資をするなら「失敗が糧になる作品づくり」にあると私は思います。
- 通信教育のメリット
- 課題の添削によって自分では気付かなかったズレを修正できる。
- 書字上達のサイクルが勢いよく回り出す可能性大。
- 一方で大変なところ
- 正しい手本の見方、練習の仕方を身につけるまでが一苦労。
- 失敗することに慣れていない人は心が折れることも。
「100均」か「市販の教本」か「通信講座」で迷ったとき
ペン習字は「目習い」と「手習い」の方法さえ知ってしまえば、練習そのものはシンプルで取り組みやすい習い事です。
せんじつめると、手元に置いた「手本」とそれを「習う人」との1対1で完結するため、独学でも十分な上達を望めます。
とはいえ、物言わぬ手本と向き合って一から十まで理解できるケースはごく稀です。
様々な疑問や失敗を解決するにあたって、その道の経験者に教えを請う機会はいつか必ず発生するものと考えます。
「近場で通える教室が見つからず困っている」という人は、通信添削によるやり取りを検討してみてください。距離の制約を取り払うと選べる手本の選択肢が広がります。
通信講座の選ぶポイントは、次の記事が参考になります。本気でクセ字を改善したい人のために書きました。