日ペンのボールペン習字講座 私の所感

「日ペンの美子ちゃん」で知られるボールペン習字講座は、ペン習字の基本を身につけたい人に適したカリキュラムになっています。

過去に受講した体験を交えながら講座の特徴を説明します。

公式ページ 日ペンのボールペン習字講座

ペン習字に即した手本だから習いやすい

私がこの講座を受講した理由は至って単純で「私もいつかこんな美しい字を書いてみたい」そんな思いからでした。そのときの気持ちをさらに掘り下げると、「日ペンの手本は全面的に信頼できる習いやすさ」 この点が大きく影響しているように感じます。

日ペンの書風はブレが少ない

「相手に分かりやすく読みやすい」を標語とした日ペンの書風は、いわゆる三上流と呼ばれ、ペン習字として習いやすい特徴があります。

たとえば、テキスト内で頻出する「ひらがな」の手本は、どのページにおいても字形が一貫しており、書写の練習に適した手本になっています。

字形を整えるルールが分かりやすい

日ペンが習いやすい理由はもうひとつ。字形を整えて書く知識を先生・生徒を問わず広く共有している点にあります。

その一例を漢字の部首に絞っていくつか挙げると、

漢字の部首をきれいに書くコツ

このように「字形を整えるルール」に従うと、文字に安定感が生まれます。センスや勘に頼らずともペン習字の決まり事を覚えるうちに字は上手くなるのですね。

上記の字形を整えるルールは、添削課題を提出する過程で日ペンの講師がたびたび教えてくれます。

「ひらがな」から始まり「年賀状」で終わる教材

講座で使用するテキストは、書き込み式の練習帳になっており、以下の内容が学べます。

  • カタカナ・ひらがな・数字
  • 楷書 - 基本点画の練習
  • 楷書 - 字形の整え方
  • 楷書 - 美しい字形のポイント
  • 行書 - 基本と応用・かなの連綿
  • 実用 - 冠婚葬祭で使うことば
  • 実用 - 手紙・はがきで使うことば

もっともよく使う「ひらがな」から始まり、楷書の基本原則・字形の整え方、行書・連綿、実用書式と段階を踏みながらペン習字の土台を固め、年賀状や暑中見舞いといった書状を首尾良く書く練習スケジュールが予め組まれています。

市販のペン字教本を使用した独学にありがちがな「どこから始めたらいいのか分からず、投げ出してしまった」「自分にとって必要な練習範囲が分からず、最後のページまで続かなかった」そのような落とし穴にハマらないテキストの構成になっています。

関連 日ペンのボールペン習字講座 確かな効果を感じる教材の内容

丁寧な添削と重宝する住所氏名の手本

添削を受け持つ講師は、師範位を取得している現役の先生です。

日ペン課題の丁寧な添削

添削では字形についての改善点を中心に1字ずつチェックが入り、字粒のバランス、中心線のズレなど実用に即したアドバイスがもらえます。

日ペンは、徹底した形臨(字の形を真似ること)に重きを置く特徴があるため、ペン習字の基礎技術でもある精密な書写が定着しやすい指導体制が整っています。

関連 日ペンのボールペン習字講座 第1~12回添削課題

日ペン先生直筆による住所氏名のお手本

(氏名住所を一部伏せています)

住所・氏名の添削は計3回あります。見本となる名前をタテ書き・ヨコ書きで書いてもらえるので、

  • 祝儀袋に名前を美しく書く際の参考として
  • 公的な書類にキレイに署名する際の参考として

使えるなど、幅広い用途があります。

住所氏名の直筆手本は、講座の修了後も活用する機会がなにかと多い便利グッズです。

動画解説で分かるきれいな字を書くコツ

ペン運びの様子が克明に収録されたボールペン習字講座DVD

2016年には新たにDVD教材が加わったことで、先生がどのようにペンを動かしているのか、通信教育生でもつぶさに運筆を観察できるようになりました。

テキストの内容に沿って要点を解説してくれるので、予習として先生のペン運びをチェックした後、同じ通りに書いてみると、筆圧の加減が難しい右払い(スッと抜く運筆)が決まりやすくなります。

DVDの内容:課題の要点についても解説

美しい字がなぜ美しく見えるのか、日ペン独自のゴールデンルールについても実例を踏まえながら解説してくれます。

1日20分程度の学習量で本当に大丈夫?

学習ガイドには、「1日2ページ(見開き単位)を20~30分かけて練習してください」とありますが、テキストを実際に使ってみると、1回のレッスンにしては練習する文字数が多すぎるように感じました。

見開き2ページには約14文字の手本が掲載されており、1日30分ほど練習する場合、1文字につき2分程度の練習で終わってしまい、これでは少し勇み足なような気もします。

そこで、個人的には1日1ページを1年かけて取り組む進め方を推奨したいです。この講座では受講期間が6ヶ月で修了するカリキュラムが組まれていますが、期間内で終えることが出来なかった人のために最長1年まで無料延長できる措置が取られています。

書く習慣を確かなものとする復習用のトレーニングブック

1日1ページの練習量でしたら、その日のレッスンを復習できるトレーニングブックにも手が伸びますし、用意されたテキストをフルに活用できます。

ペン習字が上手くなるコツの1つに「一度に習う文字は少なく」があります。

通常のカリキュラムの通りに進めると、約150日(半年間)で終わる内容になっていますので、この期間を2倍に伸ばして無理のないペースで1つの文字にじっくりと向き合う時間を作ると、目習い・手習いが着実に上達します。

担任制による細かなサポート

私がペン習字の通信講座で最も重要視しているのは、添削の質です。

「どうあがいても手本の通りに書けず、その原因が自分でも分からない」 この習い事で多く直面する挫折ポイントです。学習意欲の低下を水際で解消してくれる個別添削は、通信教育のような独学に近い環境下では大きな助けとなります。

この講座では、添削を受け持つ講師が担任制となっています。

上達の度合いに応じて、その人がまず改善すべきポイントを教えてもらえ、私の場合は起筆が成っておらず、この点について繰り返し指摘を受けました。そのおかげか、メリハリのある字が少しずつ書けるようになり、無意識下の書き癖が直っていく過程を実感できました。

成績カードの講評欄

成績カードの講評欄には添削の注釈だけでは伝わりづらい、より具体的なアドバイスがもらえます。

メールで質問できる&手書きによる丁寧な回答

テキストの内容や学習の仕方に分からないことがあったら、手紙やメールで質問ができます。その回数に制限はなく、教室に通う環境とほぼ変わらない学習環境を実現できます。

手書きによる詳細な質問回答

どうしても起筆をうまく書けず、アドバイスを求めて手紙を送ったところ(メールでも可)、疑問を解決する詳しい文面を返信していただき、この回答は大いに重宝しました。ちなみに質問の回答者も添削の先生と同じ方でした。

過去に頂いた質問への回答

Q. この講座を通して取れる資格はありますか?

  • 日本ペン習字研究会が認定する10級~5級(難易度:低)
  • 文部科学省が後援する硬筆書写検定3級(難易度:中)
  • 文部科学省が後援する硬筆書写検定2級(難易度:高)

以下に詳しく説明しますね。

日ペンのボールペン習字講座を受講すると、日本ペン習字研究会(日ペン)という団体に一時的に仮所属することになります。

日ペンの昇級・昇段の認定順序

計12回の添削課題とは別に、専用の課題(3回分)を任意で提出すると無料で審査してもらえ、作品の出来によって最高5級まで取得できます。

最高位が師範という認定順序の中で5級は、初歩の階級に過ぎませんが、講座終了後も同団体が発行する競書誌『ペンの光』で出品を続け、初段まで上がれるようになると、相当な書字力が身につきます。

硬筆書写検定の受検目安

それとは別に、日本書写技能検定協会が実施する「硬筆書写検定」の3級を取得できる実力が身につくのではないかと考えます。

模範手本を参考に書いた作品を審査する民間団体の競書とは異なり、硬筆書写検定では自運(手本なしで書く自己運筆)が求められます。

  • 手本がなくても手本のように美しい字を書く技術を身につけたい。
  • 履歴書の公的資格欄に書字に関する資格を記載して、面接時に話を広げるタネにしたい。

といった目的がある人でしたら、硬筆書写検定の受検は、この講座で養った書写力を自運の力に転化する後押しになります。

日ペンの公式ページ「取れる資格」には、”硬筆書写検定の2級合格レベルまで上達できます”とあります。

たしかに教材の出来はよく、2級相当の力を引き出すポテンシャルは秘めています。

ただ、実際にペン習字の未経験者が硬筆書写検定の2級を取得するとなると、受講期間内(半年から1年)でこの偉業を達成するには、なかなか厳しい実感があります。

そのためには、ボールペン習字講座の受講と合わせて、先ほど紹介した硬筆書写検定に準拠した競書誌『ペンの光』を同時購読して毎月出品し続ける練習量を保たないと、合格レベルまで持っていくのは難しく、スキマ時間を活用しながら美しい字を目指す人にはハードルがやや高いかなと。

それでも、硬筆書写検定3級の取得でしたら、日ペンの教材を通して簡単な行書が書けるようになるため、修了時には合格圏内を十分に目指せます。

※個人的にペン習字の利便性は、行書体にあると考えています。

受講費を限りなく抑える方法

日ペン・ボールペン習字講座の受講費は、28,900円とやや割高に感じる点は否めません。ただ、いくらか安く受講する方法があります。

資料請求してからしばらく待つ方法

この講座では、受講期間内に修了すると、特別奨励金として10,000円が支給される特別優待生の募集を別枠で設けています。

特別優待生に選ばれる条件は、

  1. 日ペン・ボールペン習字講座の資料を請求する。
  2. 講座の案内が数回にわたって届くので、これを4通目まで待つ。

4通目の講座案内が特別入会申込書となっています。待機する期間はおよそ次のようになっています。

1通目
資料請求日から約7日後。
2通目
資料請求日から約30日後。
3通目
資料請求日から約50日後。
4通目
資料請求日から約半年後(特別優待生の案内

4通目のダイレクトメール「特別奨励金のお知らせ」

だた、人によっては4通目の案内が1年後になる場合もあり、必ず届くモノでもないようです。私はそこまで待てなかったので、競書誌『ペンの光』の購読が6ヶ月無料になる2通目の案内を機に申し込みました。

受講後の感想を送ると最大1,000円のギフトカード

また、講座を修了したあとに感想文を送ると500円、顔写真付きだとさらに500円のギフトカードが謝礼として進呈されます。

【がくぶん】感想文の受付ページ

上の条件をすべて満たすと受講費が17,900円となり、1年のスケジュールで修了とするなら、1ヶ月あたり1,500円にまで費用を圧縮できます。

総評

価格と内容のバランスは取れているか

テキスト自体に際立った特徴はないものの、指導体制はアルバイトではない現役の先生が担っています。受講費の内訳はそのほとんどが添削料ですから、不当に高いといった印象はありませんでした。

こんな人には向いてないかも

  • 日ペンの手本がどうしても好きになれない。
  • 毎日コツコツと続けるのが苦手だ。
  • 浮かんだ疑問はすぐに解決しないと気が済まない。

ペン習字を習う上で「手本との相性」は重要な項目です。また、ペン習字はすぐに成果が上がる習い事ではありませんので、継続的に取り組むのが苦手な人は不向きと言わざるをえません。

こんな人におすすめです

  • ペン習字の基礎の基礎から始めたい。
  • 上達の度合いをプロの先生にチェックして欲しい。
  • 目の前のことに集中するだけでいい学習環境の中で書く習慣を身につけたい。

主にこれからペン習字を始める初心者に焦点をあてた学習カリキュラムとなっています。日ペンの手本が気に入り、ペン習字の基礎を学びたい人には最適な講座です。

締切日を設定した方が勉強が捗る人にとっても、月1回ペースの課題提出を最低限の目標とするこの講座のカリキュラムは適しているように感じます。

私的おすすめ度:星5つ中、星4

私が日ペンのボールペン習字講座の受講を決めた大きな理由は、講座を修了した後に次のステップが用意されている点にもありました。

受講期間を終えたら「あとは一人で頑張ってね」といった講座が多い中、この講座では『ペンの光』という競書誌の購読を次のステップとして推奨しています。

「同じ手本で練習を継続できる仕組み」が残されているか。長く面倒を見てもらえる講座を選ぶのも上達の秘訣になると思います。

資料の請求(無料)

公式ページから、講座の特徴を分かりやすくまとめた資料を送ってもらえます。

資料請求 日ペンのボールペン習字講座

後日届く講座案内には、

  • あなたの書字上達をサポートする日ペン独自の教材内容について
  • “だから” 美文字になれる、講座の監修者でもある日ペン会長へのインタビュー
  • 「ペン習字を習うなら日ペンで」と長年にわたり支持をいただく8つの理由

といった、案内資料が含まれていました。

日ペンの先生による手書き風便せんも同封されており、講座で習う字体を確認できます。

※管理人が年に1回確認している、2016年11月時点での資料内容です。

参考 マンガで分かる日ペンの美子ちゃん

※「日ペンの美子ちゃん」とは、『りぼん』や『なかよし』といった少女漫画誌にかつて登場していた、日本一有名な広告漫画です。



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