実用ボールペン字講座を修了しました その効果について

「字なんて読めればいい、内容さえ伝われば大きな問題ではない」そう考えていた時期がありました。

その割には達筆な人の書きぶりがやけに気になったり、人前での筆記をことさらに避けてきたりと、気持ちと行動がちぐはぐな状態で、悪筆に対する負い目が消えることはありませんでした。

「そもそもクセ字は矯正できるのか」そんな疑問についてインターネットで情報を探すも確信には迫れず、「それなら自分が発信源になってみよう」と思い立って作成したのがこのページです。

2007年に修了したユーキャンの実用ボールペン字講座について、当時の記録からその効果を検証し、教材の特徴をまとめておきます。

前もって書いておきますが、みるみる字が上手くなっていく都合の良い展開は一切ありません。自分の不器用さを目の当たりした上で、上達するきかっけをどのようにして得たのか、そんな内容です。

実用ボールペン字講座の効果 ビフォーアフター

「悪筆だった頃の筆跡」と「実用ボールペン字講座を受講してから3ヶ月後の筆跡」を比較

ビフォーの画像は、ペン習字という言葉すら知らなかった頃に書いた、履歴書の本気文字です。

ひどいクセ字もそうですが、何より字間が詰まっており、息苦しさや圧迫感を感じます。不採用となって持ち帰った履歴書でもあり、懇切丁寧に書いてもこの程度が限界でした。

アフターは、ボールペン字講座を受講してから3ヶ月ほど経った、第五回目の添削結果です。講師が住所氏名の手本を書いてくださるので、それを真似てひたすら練習しました。

こう見返してみると、字形の狂いはかなり解消されたように感じます。

以前は、芳名ほうめい帳に記された美しい筆跡を見ても、「自分もこんな風に書けたらどんなにいいことか」と羨ましく思うのが関の山で、それはその人が持つ固有の能力なのだと決めつけていた節がありました。

上達効果を感じるまでのダイジェスト

受講のきっかけは新聞の折込チラシ

実用ボールペン字講座を受講したのは、新聞の折り込みチラシがきっかけでした。

「大人になれば、その人らしい味のある字が書ける」そんな兆候が全く表れなかった当時の私にとって、”1日20分の練習で字が上手くなる”という触れ込みは実に効果的でした。

年明け特有の根拠のない自信も後押しとなり、半ば衝動的に講座の受講を決意します。

現実はそんなに甘くなかった話

思い通りに書けなくて、そのイライラをぶつけてしまった教材の1ページ

書字上達の効果はすぐに表れるものだとばかり思っていたのですが……。

必死に練習するも方向性が間違っているのか成果が表れない

(第3回課題「年賀状」を書く課題に挑戦するも無残な結果に)

フタを開けてみると、己の悪筆ぶりをまざまざと見せつけられるばかりで、このコンプレックスと向き合うだけでも神経をすり減らした苦い記憶があります。

そもそも、文字を書くことに楽しさを見い出していない当時の私にとって、「手本を繰り返し真似する意味」を理解するまでが最大の難所でした。

ひらがなから練習すると効果を感じやすい

だからこそ、テキストの第一巻は「ひらがな」から始まるのかもしれません。文章の約70%を占める「ひらがな」が上手に書ければ、文面全体の印象が良くなる、という法則をもとに、この講座では、最初の8日間の集中レッスンで上達を感じるカリキュラムが組まれています。

ここで目に見える成果を得た人は、幸先の良いスタートをきれますが、学習効果には個人差があるわけで、私の場合は、「書写とは何か」をおぼろげながらも理解したことが上達していくきっかけになりました。

受講中に気付いた学習方針「よく見て書く人は必ず上手くなる」

盛りだくさんの教材に込められたメッセージはどれも一貫していて、「手本をよく見て書きましょう」この一言に尽きます。

章の節目に登場するワンポイントアドバイス

(テキスト内のワンポイントレッスンを自分なりにまとめてみました)

手本をよく見て、真似て、比較して、もう一度書く。地味で単調ともいえる一連の流れについて、いかに興味を持たせるか、飽きさせないか。そんな工夫を感じる箇所がテキストには随所にあります。

しかし、なんかこう、想像していた景色とは少し違うわけで。ボールペン字講座を受講することで、魔法の杖のような、あっという間に上達していく期待感は正直ありました。

でも、そういう都合のいい展開が待っているのは、子どもの頃に書道を習っていたとか、絵を描くのが昔から好きだったとか、手先を器用に動かす技術を温存していた人くらいなもので、私のような「何事においても不器用で人一倍に練習してようやく人並みレベルになれる」人間にとっては、理想と現実のギャップを早々に受け入れることが何よりも重要でした。

丁寧な添削でクセ字が徐々に解消されていく

添削は、住所氏名の回も含めて計12回ありました。

著作権の関係で、添削していただいた課題の公開はNGらしく、自分なりに当時の添削の雰囲気を再現してみました。

第3回課題「年賀状」当時の添削の様子を再現

(過去の失敗作を印刷して、ユーキャンの添削を再現してみました)

10年くらい前の筆跡に自ら添削を入れるというのも変な話ですが、どの課題についても全体的に丁寧な添削をしていただきました。

特徴としては、字形のくずれを指摘する朱筆が多かったです。どこをどう直せば手本の型に近づくのか、図解を交えたアドバイスのおかげで復習がしやすかった覚えがあります。

このような添削課題は「年賀状」の他にも、「履歴書」や「のし袋」といった実生活で役立つ課題が豊富にありました。

課題の添削を通して、それまで気付きもしなかった書き癖が分かるようになり、徐々にではありますが、整った文字を書ける確率が高まっていきました。

たくさん練習してもすぐには上達しないことを示した学習曲線のグラフ

これは後になって分ったことですが、成長曲線の踊り場ともいえるプラトー現象をどう乗り越えるかが学習の頓挫を防ぐ鍵となるようです。

私はいちど挫折した組です。字がさっぱり上手くならない状態にしびれを切らし、テキストの3冊目でリタイアしてしまいました。

それでも、安くなかった自己投資を無駄にしないために、受講期限の終盤で尻に火がつき、練習を再開したことによって、成長が鈍い期間(プラトー現象)を克服できました。

ペン習字を習えば、どんな状況でもきれいな字を書けるのか

ユーキャンのボールペン字講座を修了した後に確認しておきたかったことがひとつあります。

最後の課題を提出した翌日に、それぞれのシチュエーションに合わせて、ひとつの文を書きました。筆記する速度によって筆跡がどのように変わるのかを見比べてみます。

(記録日 2007年3月)

話を聞きながらメモを取ったような字
1. 人の話を聞きながら素早くメモを取ったときの書きぶり

考え事をしながらメモを取ったような字
2. ひとりで考え事をしながら手帳に記入するときの書きぶり

キレイな字を少し意識した時の字
3. 人前で恥ずかしい思いをしたくないときの書きぶり(問診票や入会申込書へ記入する際の筆記速度)

キレイな字をかなり意識した時の字
4. きれいな字を書くためなら、いくら時間をかけても構わないときの書きぶり(履歴書や願書を書く際の筆記速度)

こうして見ると、自分しか読まない 1,2 の筆跡は、ペン習字を始める前とほとんど変わっていません。しかし、きれいな字を書く必要に迫られた場面では、この講座で学んだ書字のコツを発揮できるようになりました。

ボールペン字講座に対する先入観と修了後に実感した現実

ペン習字を習うことで、ひどい書きぶりの下限が底上げされたというよりは、「きれいに書かなければ」と強く念じたときだけ、その力を使えるのが実態のようです。

きれいな字を書く方法を身につけたといっても、筆記する速度が上がるほど、ペン先の動きは荒くなり元の筆跡に戻ってしまうため、メモ書きすら美しく書くには、練習量がまだ足りないようです(私の場合)。

ボールペン字講座の受講を通して得た気付き(箇条書き)

  • どうやらきれいな字には法則があるらしい。
  • じゃあ、その法則とやらを覚えてしまえば、悩みが解決するのでは。
  • けれど、指先が思い通りに動かない。
  • 頭では分かっているのに、身体がその通りに動いてくれず、もどかしい。

結局のところ、書字の練習って、思った通りに書けないもどかしさとの闘いなのだと思います。

続けてさえいれば上手くなることは確かな事実で、それじゃあ「練習する習慣をどこから持ってくるのか」続けるための仕組みづくりに腐心することが最大の攻略法になるのではないかと考えます。

今回経験した通信講座では、「添削による励まし」「後には引けない(受講費用の元を取る!)覚悟」など、お膳立てしてくれる要素があったおかげで練習する習慣が半ば強制的に身につきました。


クセ字を克服する方法を探している人に伝えたいことはまだあって、もう少しだけ続きます。

いやいや、長すぎ!と感じた方は、ユーキャン独自の工夫点をチェックしてみてください。

公式サイト ユーキャンの実用ボールペン字講座

左利きの人でも大丈夫 正しい練習は嘘をつかない

※2016年に追記した内容です。

初心に戻ったつもりで、左手で練習しても書字は上達するのか、2週間にわたって字の練習をしてみました。

ビフォアー 左手で書いた履歴書

(画像クリックで拡大)

練習を始める前に、まずはボールペン字講座のテキスト第4巻に掲載されている履歴書の課題について、左手で書いてみました

指先をうまく動かせず、小さな文字ほど軟弱な線になってしまいます。筆圧も安定しないため、常に押し付けるような書き方を保たないとペン先の動きをコントロールできませんでした。

アフター 左手で書く訓練を2週間続けた後に書いた履歴書

(画像クリックで拡大)

こちらは、左手で2週間練習したあとの履歴書の文字です。少しはマシな書字になっているでしょうか。

私の場合、既にボールペン字を習っていた影響もあり、頭の中でぼんやりと浮かんでいる文字をどうすれば左手で再現できるのか、この一点を改善し続けることで書字上達の効果が表れ始めました。

頭の中にぼんやりと浮かぶ文字の形を“脳内文字”と呼ぶそうです。最近の研究では、人は脳内文字(記憶された文字の形)を基にして字を書いていると考えられています。

脳の中には言語野と呼ばれる部分があり、私たちが言葉を話すときには、主にここが働きます。ところが、文字を思い浮かべるときには言語野とは別の部分が働いていることが知られています。

言語野より少し後ろの部分なのですが、ここが脳内文字の貯蔵庫といえます。私たちが文字を書くときは、この貯蔵庫から文字を一つずつ選んで引き出し、手の動きを通してその形が表れます。

『今すぐ「美文字」が書ける本』 青山浩之 (2012)

左利き・右利きでも、やる事さえブレなければきれいな字が書けることを示した図解

字がうまくなる仕組みとは、分かってしまえば、何てことはない話です。

大抵の不慣れな作業は、頭の中でああしよう、こうしようと考えて、その通りに身体を動かそうとしてもうまくいかず、子供の運動会で大ゴケしてしまうお父さんのようになってしまいます。

こういった心身のズレをどうすれば自覚でき、修正できるのかこの観点に立った時点で、上手くなるためのレールは敷かれたようなもので、あとは地道な努力が出来るかどうかに懸かっています。

ペン習字の本質を捉えた講座だから、着実に上手くなる

心身のズレを直す手助けをしてくれるさまざまな工夫を盛り込んだ教材が「通信講座」であり、これは一種の練習パッケージです。

テキストには、書写しやすいよう手本に注釈を記している(参考)

ユーキャンのボールペン字講座では、字形の特徴を分かりやすく示した手本を参照する目習いと、マス目に書き込む手習いの両輪で書字の上達を図っています。

目の前のことだけに一生懸命になればいい教材を手にしたら、あとは一歩ずつ踏みしめながら階段を登っていくだけです。

家族や友人、同僚から「最近、字の雰囲気が変わった?」と言われるようになったらしめたもので、あとは書く習慣を絶やさないことに努めれば練習の成果は徐々に表れ始めます。

左手訓練のために用意した練習ノート。毎日1ページずつ、丸や三角といった記号など、思い通りに線を書くための練習を行なった

(左手による訓練では、毎日1ページずつ漢字練習帳を埋めることをノルマにしました)

初めから上手く書けなくたっていいんです。そのために練習するのですから。

線を書く練習ひとつを取ってみても、○ × △ のすき間をきちんと埋めるといった遊び感覚で書いても心身のズレは徐々に直っていきます。

重要なのは、1日でも長く続けること。書く習慣を絶やさないこと。たったこれだけです。

もちろん、すべてが都合よく運ぶことは、まずないと思います。

それでも、霧が立ち込める道中でも向こう側の景色だけは鮮明に見える、その術を知っているだけでも心持ちは随分と変わるのではないでしょうか。

クセ字の悩みを根本から無くすには

クセ字を解消して最終的に行き着くところって、自分の字を好きなることだと思うんですね。

「人前で恥ずかしい思いをしたくない」とか「あまりにも字が汚すぎて就活が不安」など、書字に対する悩みは色々あれど、自分の筆跡を「なんか好きかも、悪くないよね」と思えるようになったら、万事が良い方向に向かいます。

自分の字を好きになるための方法として私が選んだのは、今の拙い字を受け入れた上でペン習字の手本から書字のコツを学ぶことでした。

もしあなたが通信教育によるペン字講座を受けるなら

この手の通信講座は、向き不向きが確実に存在すると思っています。

私がその典型例で、すぐにでも効果を感じる期待感が大きすぎると、ある日を境に練習が億劫になってしまう可能性があります。

それでも、ここまで読んだ方ならプラトー現象(練習の手応えを感じない時期)をきっと乗り越えられますし、必要となる心構えもご存知なはず。

実用ボールペン字講座の教材一式

(2016年版の教材一式)

教材の内容は、

  • メインテキスト 6冊
  • 復習用として使える練習帳 3冊
  • テキストにはない手本文字を収録した『楷書・行書の字典』
  • よく使われる地名・人名の手本を収録した『あて名便利帳』
  • 住所・氏名の直筆手本
  • 添削 計12回

となっており、豊富な添削回数を特徴とする通信講座です。

これは私の推測ですが、ペン習字の通信講座は、添削による手間賃が内訳の大部分を占めていると考えています。

つまり、受講を決める大きな理由は、添削が必要かどうかの判断に懸かっているわけですね。

一連の添削費用は、教室に通って添削してもらう相場基準よりは明らかに安いように感じます(通学だと入会費 + 教材費 + 月謝代= で毎月の固定費がそれなり)。

自宅学習において「先々の練習計画」「先生目線によるアドバイス」が欲しい人にとっては、願ったり叶ったりの選択肢となりますし、様々な疑問を自己解決していく自信がある人は、市販のペン字練習帳で十分ということになります。

  • 「個性が強い達筆な字」よりも「クセのない自然な美文字」の書き方を習得したい。
  • 練習の方向性が合っているか、プロの目でチェックして欲しい。
  • 実用ボールペン字講座を修了した後も同じ先生が監修する講座を習ってみたい。

といった人でしたら、鈴木啓水けいすい先生が監修するユーキャンの実用ボールペン字講座を無理なく進められるかと思います。

受講開始から最長18ヶ月間の学習猶予があることを踏まえると、不当に高いといった印象はありませんでした(月1,980円×16回払)。

添削課題を最低でも月にいちど提出することを義務づければ、およそ12ヶ月で講座を修了する計画となり、残り6ヶ月は、予定通りいかなかった場合の調整期間として使えます。

個人的には、住所・氏名の手本が今でも役に立っています。

こういった直筆手本って、履歴書や申請書を美しく書く際にとても役立つのに、先生と懇意な関係にならないと書いてもらえなかったりするんですよね。

住所・氏名の専用添削は6回あり、いただいた模範手本は、講座の修了後も何かと利用する機会が多いお助けグッズになっています。


公式サイトから、講座の特徴を分かりやすくまとめた資料を送ってもらえます。

資料請求『無料】 ユーキャンの実用ボールペン字講座

後日届く講座案内には、

  • ミニ冊子「マンガで分かる実用ボールペン字講座 あなたの文字が上達する理由」
  • 受講生の声を交えた教材の特徴について
  • 週5回レッスンの場合の上達モデルプランをご紹介

といった、イラストを多用した説明資料が付属していました。

ユーキャンの先生による手書き風便せんも同封されており、講座で習う字体を確認できます。

※管理人が年に1回確認している、2016年11月時点での資料内容です。

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