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手軽に筆文字が書ける筆風サインペンのススメ【筆ペンが苦手な人用】

毛筆が苦手な人でも手軽に筆文字が書ける筆記具があります。

硬筆タイプの筆ペンです。

文具コーナーの商品棚から自分に合った筆ペンを探すのは、なかなか大変なことで、どんな筆ペンを選べばよいのか、その種類が多すぎて満足いく1本を手に入れていない人は意外と多いように感じます。

このページでは、管理人が厳選したボールペン感覚で筆文字が書ける"硬筆タイプの筆ペン"を紹介します。

このページ 3行まとめ
筆ペンには、初心者向けに特化した「硬筆タイプ」の筆ペンがある。
毛筆に自信がない人「筆まかせ」(パイロット)がオススメ。
筆のような書き心地が欲しい人「筆ごこち」(呉竹)がオススメ。

始めに答えに相当するプチまとめを載せました。

筆まかせ【極細】を推奨するに至った理由について、ちょっとした検証を交えながら説明していきます。

筆ペンは種類によって穂先の形状が異なる

タイプ別 筆ペンの穂先

一口に筆ペンといっても、

  • 硬筆タイプ
  • 軟筆タイプ
  • 毛筆タイプ

穂先の素材が異なる3種類の筆ペンがあります。

それぞれの特徴を簡単に説明すると、

硬筆タイプ
書き味がやや硬めでサインペンに近い書き味。「ハネ」「ハライ」が決まりやすい。
芯材には、アクリル・ポリエステルといった合成繊維を使用。
軟筆タイプ
適度にコシ(弾力性)があり、より太い線が書ける
穂先にはウレタン素材を使用。書き進めるとキュッキュと音が鳴ることも。
毛筆タイプ
毛筆の感覚にもっとも近く、使いこなすには相応の練習が必要。
主にナイロン毛やポリエステル毛といった人造毛を使用。

このような違いがあります。

初めての人でも使いやすいと感じる筆ペンのタイプは?

店内のPOP広告で「初心者にオススメ」と表記しているのは、ほぼ「硬筆タイプ」の筆ペンです。

書道の未経験者祝儀袋や香典袋に名入れする際は、ボールペンの書き味により近い「硬筆タイプ」の筆ペンが適しています。

筆ペンに対する苦手意識はどこから来るのか

筆ペンを上手に扱える人は意外と少ないです。

特にボールペンや鉛筆といった硬筆系の筆記具に慣れ親しんだ人は、筆圧に応じて穂先がくにゃっと変形する毛筆独特の弾力性や柔らかさに戸惑ってしまう傾向にあります。

毛筆タイプで筆圧を変えずに書いた筆跡

(毛筆タイプの筆ペンで筆圧を変えずに書いた字)

常に一定の筆圧で書いても何ら問題のない硬筆の書き方を毛筆に用いてしまうと、締まりのない線質となり、字形もどこか幼く見えます。

そのため、ペン感覚で書いても筆文字っぽく書ける"サインペン風筆ペン"が初心者には適しており、それが硬筆タイプの筆ペンに相当します。

毛筆に不慣れな人が書きやすいと感じる筆ペン3要素

私が硬筆タイプの筆ペンに求める条件は次の3つです。

  1. ペン先のチップが小さく、
  2. 必要以上にたわまない。
  3. なのに、筆文字っぽく書ける(トメ、ハネ、ハライが決まりやすい)

筆ペンが不慣れな人にとっては、「ペン先がほとんど変形しないにも関わらず、なぜか筆文字が書けてしまう」この書き心地が満足感につながり、日常筆記としても使える1本になるのではないかと思います。

ペン先が小さくたわまないのに筆文字が書ける、そんな都合の良い筆ペンがあるのか、実際に検証してみました。

手軽に筆文字が書ける"サインペン風筆ペン"書き比べ

各文具メーカーが主力としているであろう硬筆タイプの筆ペンを実際に書き比べてみました。

書き味の好みには個人差があるため、まずはペン先が硬く変形しにくい順にランク付けし、その中から毛筆の基本用筆がしやすい筆ペンを選び出します。

ペン先が硬い順ランキング

ペン先がいちばん硬い「筆ボール」は、1.5ミリの極太ボールペンです。

商品名に"筆"という言葉が入っているだけで、筆ペンの中ではネタ要員に近い存在ですが、「筆ボール」のペン先の硬さ・変形のしにくさを基準として序列をつけると、下記のようなランキングになりました。

※管理人が特に書きやすいと感じた筆ペンには丸印を付けました

硬筆タイプの筆ペン 書き比べによる筆跡

(3.「COCOIRO 硬筆タイプ」から筆ペンっぽさを感じました)

コピペ検索できるように、商品名、メーカー、品番の順で列挙しておきます。

  1. 筆ボール OHTO CFR-150FB
  2. 水性サインペン リブ 三菱鉛筆 MYT-7
  3. ZIG Letter pen COCOIRO リフィル 極細 硬筆タイプ 呉竹 LP-R-010S
  4. 筆ごこち 極細 呉竹 LS4-10S
  5. 筆まかせ 極細 パイロット SVFM-20EF-B
  6. 筆之助 しっかり仕立て トンボ鉛筆 GCD111
  7. 筆まかせ 細字 パイロット SFM-20F-B
  8. 美文字筆ぺん 細字 呉竹 XT2-10S
  9. 筆携!サインペン 細字 呉竹 PK2-10
  10. くれ竹細筆ぺん 卓上(7号) 呉竹 DH150-7B
  11. 筆ぺん 双筆 跳ね小筆 プラチナ万年筆 CFS-580
  12. 筆文字サインペン 細字 ぺんてる XSES15NFA
  13. 筆之助 しなやか仕立て トンボ鉛筆 GCD112
  14. 筆サイン 細字 ゼブラ WF1
  15. ペチット3 筆ペンタイプ パイロット SPN-15KK-B
  16. 筆ごこち 呉竹 LS1-10S
  17. くれ竹 携帯筆ぺん 硬筆(14号) 呉竹 DR150-14B

当然、ペン先がよく"しなる"ほど毛筆らしい書き味に近づきますが、使いこなすには相応の慣れが必要です。

一方で、ボールペン感覚で書ける筆ペンは圧倒的に書きやすく感じるものの、筆文字らしい線の強弱や用筆が困難になります。

このようなトレードオフの妥協点を探っていくと、個人的には「筆まかせ」が手軽に筆文字が書ける筆ペンとしてふさわしいように感じました。

ペン感覚で書いても筆文字になる筆ペン「筆まかせ」

筆まかせ【極細】

筆まかせ【極細】は、筆記具メーカーのパイロットが製造しているペン先がたわみにくい硬筆タイプの筆ペンです。

発売年が2013年と、割りと最近のユーザー指向を追求した筆ペンになっています。

新開発のハードチップにより、筆使いが苦手な方でも「トメ、ハネ、ハライ」を簡単に表現でき、文字に強弱を持たせることができる 初級者向けの筆ペンです。

ネーミングは、”筆に任せて思い通りの文字が書ける、筆文字が簡単に書ける”という思いを込めて『筆まかせ』と名付けました。

カラー筆ペン『筆まかせ』| プレスリリース | PILOT

「筆まかせ」のパッケージ

筆まかせ【極細】は、私が求める初心者向け筆ペンの3要素を満たしています。

  1. ペン先のチップが小さく、
  2. 必要以上にたわまない。
  3. なのに、筆文字っぽく書ける(トメ、ハネ、ハライが決まりやすい)

極小チップのペン先で線の強弱を表現できる要因は、カタナ状に変形するペン先の形状にあるのではないかと。

筆まかせ【極細】のペン先を拡大した様子

(ペン先の先端わずか0.数ミリのみ柔らかく、根元までつぶれない)

この筆ペンは、使い込むうちにペン先の片側がわずかに平たくなり、太い線も書けるカタナ状のペン先に変化します。

そのため、ペン先を当てる角度によって線の太細を表現でき、筆圧の加減を意識しなくても普段の筆記感覚で筆文字っぽい字が書けるようになります。

ペンを抜く終筆では、尖った穂先の先端が筆記の最終箇所となることで、「ハネ」「ハライ」といった鋭い線も手軽に書けます。

筆任せ【極細】と筆文字サインペン【中字】のペン先を比較

(ペン先のチップが小さくても【中字】相当の筆文字が書ける 筆まかせ【極細】)

筆まかせ【極細】は、他メーカーの筆ペン【中字】とくらべても負けず劣らずの線幅で、小さい文字を書く手紙文のほかに宛名書きの用途としてもその役割を果たせます。

招待状の宛名書き・ご祝儀袋にも使える筆ペン

筆まかせ【極細】を使って実際に書いてみました。

筆まかせ【極細】で書いた招待状の宛名書き

結婚式の招待状を送る際の宛名書きは、名前が1.5センチ程度とかなり大きめな字が要求されるものの、ペン先の広い部分で書くようにすると、筆まかせ【極細】でも線幅が太くなり、見劣りしません。

筆まかせ【極細】で書いたご祝儀袋・ポチ袋

ポチ袋へ自筆する際にも塩梅よく書けます。

ただ、ご祝儀袋の「御祝」といった上書きに限っては線幅がギリギリ足りず、すこし物寂しい印象になるかもしれません(名入れ箇所の筆記は問題なし)。

その場合、線幅が1段階太い「筆まかせ【細字】」の出番となり【極細】と【細字】の2本を用意しておくと、あらゆる筆記場面に対応できます。

おわりに 個人的に書きやすく感じた筆ペン

今回の調査で特に印象的だったのは、呉竹製筆ペンのバリエーションの豊富さでした。こんなにも色々な筆ペンを発売していたとは。

中でも「くれ竹細筆ぺん 卓上 7号」は、程よく毛筆に近い筆感があって、インク色が濃く、「ハネ」の先端までカスレない書きやすさを感じました。

買う側も仕入れる側も実はよく分からないまま取り扱っている筆記具の典型が筆ペンなんですよね。

「筆ペンなんて価格が違うくらいでどれも似たり寄ったりでしょ」と思っている人にこそ、当人にしかその良さが分からない筆ペンがあることを知ってほしいですし、自分の嗜好に合った筆ペンを見つけた人は、ペン先を走らせるだけでも楽しい気分に浸れます。

後半で紹介した筆ペンは、あくまで管理人が書きやすいと感じたモノですので、筆記感にこだわりのある方は、「ペン先の硬さランキング」を参考にしつつ、自分に合った筆ペンを探してみてください。