万年筆の書き比べ記事を目にする割には、紙の書き味を主題とした記事ってあまり見ないよなぁ。ってこと比較してみました。
紙を買い集めるその前に
今回は常用することを考えて、比較的入手しやすく、低価格な紙を中心に選びました。さらに条件を絞り、ペン字の練習に適した「無地・無罫」「ルーズリーフ・レポートパッド」型の紙、口コミで定評のある紙の中から選びます。
まとめると、
- 入手が容易
- 価格がリーズナブル
- 無地・無罫の紙
- ルーズリーフ・レポートパッド型の紙
- 他サイトで紹介されていた紙
これらが候補となる条件です。
保護した紙製品
買い揃えたのは、次の7冊。
- ミドリ – きれいな手紙が万年筆で書ける便箋(20439006)
- コクヨ – ルーズリーフ用紙(ノ-827WE)
- コクヨ – MIO PAPER 便箋(ヒ-GG380)
- マルマン – 書きやすいルーズリーフ(L1106H)
- マルマン – レポートパッド(P143)
- マルマン – ジウリス(HL106)
- ライフ – プレインレポート(R5)
「ジウリス」だけはお値段が別格ですが、高級紙の代表として参加してもらいます。
これからやること
3種のペンで書き比べ、にじみ具合を比較する
それぞれの紙に「永」という字を書き込み、インクのにじみ具合を比べてみます。
※サンプル文字にはなるべくブレが出ないよう、紙の下にお手本を敷いてから書きました。
用意したもの
- PILOT – デスクペン ペンジ DPP-100-B
- 三菱 – ユニボール アイ
- ZEBRA – サラサクリップ
用意したペンは、2年間使い続けたデスクペンと、比較的にじみが強い水性ボールペン、それからお気に入りのゲルインクボールペンです。デスクペンにはパイロット製のインクを使用します。
消しゴムの消し字性を比較する
濃淡にムラが出ないように鉛筆で塗り込んだら、消しゴムを1回だけ滑らせ、そのときの色合いを比べてみます。
用意したもの
- トンボ – MONO消しゴム PE-01A
- FABER – カステル9000番鉛筆 B
どちらも老舗の筆記具メーカー。
なるべく均一の力でもって消すように心がけます。
そして書いてみた・消してみた
ミドリ – きれいな手紙が万年筆で書ける便箋(20439006)
定価504円 50枚入 10.08円/枚
トラベラーズノートで知られるミドリが手がけた紙製品です。今回、様々な紙を集める発端となった代物でした。
コクヨ – ルーズリーフ用紙(ノ-827WE)
定価399円 100枚入 3.99円/枚
普段の練習にはこの紙を使っています。いつも足を運ぶ文具屋にはCampus製品しか置いてなかったんですよね。
コクヨ – MIO PAPER 便箋(ヒ-GG380)
定価367円 80枚入 4.59円/枚
ゲルインクボールペンでの筆記に特化した紙製品です。インクがにじみにくく、乾きも早いということで選んでみました。
追記)2010-07-11
特設ページにある通りの使い心地で、書いていて気持ちが良いです。
下地がしっかりしていて、繊維をガリガリと削ることなくサラリと書けます。筆ペンのインクは一分以内に完全吸収。もちろん裏抜けなし。よくよく見ると、ほんのわずか滲んでいるのが分かるけど、個人的に許容範囲内です。
マルマン – 書きやすいルーズリーフ(L1106H)
定価399円 100枚入 3.99円/枚
コクヨのルーズリーフ用紙(ノ-827WE)と同額の紙製品です。手触りはこちらの方がすべすべして滑らか。
マルマン – レポートパッド(P143)
定価262円 50枚入 5.24円/枚
ペン字のページで紹介されていた紙製品です。マンガ用の画材としても書き味が良いと評判です。
マルマン – ジウリス(HL106)
定価735円 50枚入 14.7円/枚
常用するにはちょっと覚悟がいる価格帯の紙製品です。肝心の書き味はというと、うーん、他の紙と変わらないような…。
ライフ – プレインレポート(R5)
定価473円 100枚入 4.73円/枚
今回集めた中ではいちばん紙のコシが低く、ペラペラしています。しかし、インクの裏抜けは他の紙製品と変わりありませんでした。
再生紙
分かりやすいサンプルとして、再生紙のノートを例に挙げてみます。
こちらはにじみやすい、裏抜けしやすい、さらに紙の繊維を削り取っている感覚があってとにかくインクがきれいに乗りません。このくらいにじんでしまうと、書き味に不快感が残ります。
また、消し字性についても微細な芯の跡が残ってしまいました。
さらに、水性ボールペンでヨコ線とジグザグの線を書いて裏写りを比べてみると、
ぺらぺらなプレインレポートの方が裏抜けしません。できれば再生紙の使用は避けたいところです。
まとめ
客観的に判断しやすいインクのにじみ具合を基準にまとめてみましたが、
ぱっと見はどれも同じで、インクの発色、濃淡も甲乙つけがたく、何ともまとめづらい結果に。口コミで評判の良い紙製品を選んだばっかりにどれもハズレがないといった感じです。
ただ、神経質なまでに注視した場合、ミドリの「きれいな手紙が書ける便箋」とマルマンの「レポートパッド」この2つは他と比べてインクの乗りが良いように感じました。そしてこの2つを基準にしてしまうと、普段使いであるコクヨ「ルーズリーフ」も使用感に劣る気がします。それでも常用するなら、コストパフォーマンスに優れたコクヨ「ルーズリーフ」かマルマンの「書きやすいルーズリーフ」の二択になるでしょうね。
消し字性についても目新しい違いは現れず。これはスキャナで取り込んだのが失敗でした。実際はどの紙にも薄く、ごく薄く芯の跡が残っていますが、この違いを気にする人はたぶん、いないだろうと思います。
再生紙以外の紙であれば、多少強めに消し続けても紙の繊維が毛羽立つようなことはありませんでした。機会があれば、今度は「書いては消す」を繰り返した場合の消し字性を比較してみたいと思います。そのときはジウリス君、期待しているよ。
参考リンク
- ペン習字に使う用紙の比較検証 – 文房具大好きお母さん編
- 万年筆に向く便箋(3) – Stone penji
- maruman love– Stone penji
- maruman love(3) ジウリス– Stone penji
- 頼れるLIFE – Stone penji
- マルマン用紙レポート – sideriver
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