ペン習字と夏季はどうも相性が悪い気がします。暑さに参って練習意欲が削がれるのもそうですが、更に厄介なのが体からにじみ出す汗です。
汗をまとった素肌にとにかく何にでもペタペタと引っ付き、手汗が用紙に染みこんでしまうと、その部分だけインクが乗らず、まったくもって不快です。
今までに試してきた手汗対策を踏まえながら、画期的なアイテムを見つけたので紹介します。
手元にティッシュを敷く
様々なシチュエーションで使える手軽な対処法。
乾きが遅いインクを手で擦ってしまうのを防ぐのによく使います。手汗もほどよく吸水してくれます。
ただ、ティッシュのズレがいちいち気になるのと、ゴワゴワした繊維の上で書く違和感がイマイチ好きになれません。
指ぬき手袋をはめる
綿手袋の親指、人差し指、中指、をカットしてはめるやり方。
ペンタブレットを利用するイラストレーターが、手の引っ掛かりを少なくし、ペンをスムーズに動かすために考えた方法だそうで。
実際にやってみましたが、「この夏場になぜ手袋…」という悲壮感が漂い、アセモができそうなのもあって使用を断念しました。
ベビーパウダーをすり込む
筆記中の違和感がなく、サラサラ感が持続するアイテムを最近知りました。ベビーパウダーです。
ワイシャツの襟や袖口にベビーパウダーをすり込むと汚れを予防できるという豆知識を知って、ペン習字にも使えるのでは?と思い、使ってみたところ、期待以上に手のベタつきが解消されました。
調べてみると、ベビーパウダーは、主原料である植物デンプン「コンスターチ」と、「滑石」と呼ばれる天然鉱石を粉砕したものがスグレモノで、下の図は私なりのイメージ。
ベビーパウダーに含まれる成分が、余分な水分を吸着しつつ、皮膚表面を均一にし、摩擦力を軽減します。そんなに量を使うものではなく、コスパも良いです。
汗が常に吹き出す状態だと、さすがにベビーパウダーの効果も薄れますが、室温があまりにも高い場合は潔くクーラーを付けた方が良いでしょう。
手ぬぐいで包んだアイスノンを太い血管が通っている太ももや首筋に当てると、スッと汗が引くのでオススメです。
ベビーパウダーのちょっとした使い方
使い方をあやまると粉まみれになるので注意。
基本的に汗や汚れを洗い落とした状態で使うのが望ましく、サラサラ、すべすべ効果を感じやすくなります。
ダマになるくらい塗ってしまうと付け過ぎです。肌にうっすらと白さが残るくらいが丁度よく、ベタつきを感じ始めたら付け直します。
パフを使う場合は、パタパタはたくと粉が飛び散ります。こするように塗り込んだ後は指先でパウダーを伸ばすと無駄なく使えます。
ベビーパウダーを塗る箇所
練習中に不快と感じたベタつく肌へどんどん使っていきましょう。
私は主に小指側面から手首側面にあたる場所(小指球)に塗っています。半袖の場合、紙を押さえる左腕もしっとりベタつくので、塗るようにしています。
汗ばんだ手で書くと、接紙する箇所の滑りが悪いものだから、細かな振動で線がビレてだらしない線質になるんですよね。練習がはかどらない一因です。
ペン習字とベビーパウダー。一見すると、繋がりがないように思いますが、手汗がもたらすデメリットを抑えこむことで、素肌だけは湿度が低いときの練習環境を再現できます。紙の上に小指玉をダイレクトに置きたい派としては何かと重宝しています。
ちなみに、机すら湿気でベタついて不快なときは、普通紙よりもザラついた感触がある半紙を敷いて、その上で練習するようにしています。まず腕に引っ付きません。
暦では残暑の季節ですが、暑さ、湿り気との根比べはまだ続きそうです。
追記)手ぬぐいを広げる方法
@koguma0904 ベビパはうすく塗りこむ程度なので、それほど汚れません。手ぬぐいを広げる方法はいいですね。木綿がクッション材となって、ペン先がたわみやすいように感じました。
— うた (@cumacuma) 2014, 8月 18
広範囲に渡るベタつき防止と下敷きの代わりとして、手ぬぐいを使う方法もあるようです。
手ぬぐいだと、紙を押さえる左腕の肘に至るまで快適ゾーンが広がります。
ツイッターのリプライでは、「木綿がクッション材となってペン先がたわむ」と表現しましたが、実際は、ペン先で力を加えた箇所では、木綿によって押し返されるような感覚があり、それがペン先がたわむように錯覚しました。
以前に、下敷きとして捺印マットを使う方法を知りましたが、同じように線の緩急がつけやすいです。
これはおもしろい発見でした。皆さん色々と工夫されているんですね。
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