この講座では、
- 習いたい字の方向性を決めた上で、
- なるべくお金をかけずに、
- 金銭的な負担を必要とするならどこに費やせばいいのか
予算と時間に応じた練習方法が分かる解説が主な内容となっています。
- 手間暇をかけずに字が上手くなりたい
- 根本的に書字の悩みを解決したい
どちらの要望にも適した記事を随時案内していきますので、自分はこれから何をすればいいのか、おおよその道筋が見えてきます。
では、さっそく始めていきましょう。
※説明はいいから、今すぐ字が上手くなるコツを教えてくれ、という方はコチラ↓
きれいな字を書くための下準備をしよう
これからお伝えするのは、かつての自分が知りたかった、きれいな字を書くための手段に関するお話です。
これまでの経験則を凝縮して15分程度で読み切れるミニ冊子風にまとめ直しました。
- クセ字を直したいけれど、何から始めたらいいのか分からない。
- どんな練習法が有効なのか、自分に合った方法を知りたい。 など
主に入り口の段階でつまづいている人を想定し、全5ページの内容は、次のような構成になっています。
- 0. はじめに(現在ページ)
- 「なぜクセ字は自他ともに忌避されるのか」について考察
- 1. 習うなら「書道」と「ペン習字」どちらがいい?
- 「目指す方向性によって学びの受け皿は変わること」について説明
- 2. 2つに分かれるペン習字の上達ルート【短期間 or じっくり】
- 「費やす時間と目的に応じた練習法」を紹介
- 3. お気に入りの硬筆手本を見つける方法【選び方のコツ】
- 「ペンで書くことが好きになる入り口」について紹介
- 4. 自宅でペン習字を習う4つの方法
- 「予算に合わせた自宅学習の方法」をざっくり説明
最初から読んでいただくと、正しく整った字を書くための道筋や全容が過不足なく分かります。
そこまでの時間がなく、「字の悩みをいち早く解消したい」という人は 2ページ目へ、「私は今すぐにでも練習を始めたいんだ」という人は4ページ目へお進みください。
手書きを苦手と感じる人は意外と多い
筆記具メーカーのゼブラが2014年に行なったアンケート調査によると、10代~60代の男女計1,300人のうち、65%の人が「字を上手く書けないなどの苦手意識がある」と回答しています。
(手書きに関する意識調査(2014年) ゼブラ株式会社 より)
書字に対して何らかの悩みを抱いている人は思いのほか多く、今の時代、字を上手く書けなかったとしても何ら不思議な事ではないんですよね。
ところが、手書きの習慣が薄れてしまうと、いざ書こうと思ったときに書き慣れていない字の雰囲気が付きまといます。
人前で字を書く際にこんな不安を感じたことはありませんか。
- 「年齢相応な字が書けなくて辛い」
- 「こんな字のせいで相手にどう思われるだろうか」
自筆に自信がない人ほど、なんだか気持ちがざわついてしまいます。
おそらくそれは「○○さんってこんな字を書く人だったんだ」と、筆跡を通して人の印象は良く悪くも変わってしまう感情の機微を過去に経験しているからだと思います。
いくら丁寧に書いても子供っぽい字の雰囲気から脱却できない人にとっては、なかなか辛いものがありますよね。
解決に導くヒントは、まさに今悩まれている「書きぶり」にあることは確かです。
書かれた文字は人にどんな印象を与えるのか
ここで簡単な実験をしてみます。
次の例文は、「年賀状」や「ビジネス文書」といったお礼状で感謝の気持ちを伝える際によく用いるフレーズです。
人はその筆跡に対してどんな印象を抱くのか、典型的な書き癖について何種類か書いてみました。
あなたの字はどのタイプ?
- タイプA
- 女子中高生の間でかつて流行った丸文字系の筆跡
- タイプB
- 文字よりも余白の方が目立つ細々とした書きぶり
- タイプC
- 我流による崩し字
- タイプE
- 金釘流その1
- ※金釘流とは、錆びて折れ曲がった釘を並べたような筆致のこと
- タイプF
- 金釘流その2 管理人はこのタイプでした
それぞれの筆跡について何か感じるものがありましたか?
丁寧な筆記が求められる場面では、その多くが人に読まれることを想定しています。
そのため、過度な読みづらさは、読み手に対する配慮のなさとして捉えられやすく、裏を返せば、きれいな字が書けるというだけで、読み手をもてなす処世術にもなり得ます。
書字に込めた気持ちを相手にしっかり伝えたいとき、何よりの解決策は「文面」と「文字の外観」の釣り合いを保つことです。
- 女優・井上真央さんのような筆致
- 書きぶりさえ良ければ、どんな筆記場面にも対応できます
つまり、TPO(時・場所・場合)に応じた書字ができるようになれば、普段の生活がもっと楽になるわけですね。
きれいな字はその人の信用力につながる
「用筆は心にあり、心正しければ(すなわち)筆正し」 とは中国唐時代の書家、柳公権 が残した言葉
漢字文化圏で暮らす私たちにとって、書かれた文字と人柄を結びつける考え方は古くから根付いており、それが転じて今では「書は人なり」などと言われたりします。
「書かれた文字は、その人の写し鏡」
それほどまでに、人の書字から受け取る情報量は多く、無意識のうちに品格や教養までを感じ取ってしまうきらいがあります。
履歴書、エントリーシートはその典型ですね。相手がどんな人柄なのかまだよく分からない場面では、筆跡も第一印象として注目されやすく、読み手の関心を引く一要素になっています。
字の悩みの8割方は、人対人の場面で起こるものと考えると、まずは「相手に伝わる文字が書けるようになる」この地点をゴールとすることで、これから進むべき道が具体性を帯びてきます。
- 親しい人への贈り物には率先して一筆箋を添えるようになった。
- 家族や上司から急に頼まれた熨斗書きにも、引け目を感じることなく対応できた。
あらゆる筆記場面をそつなくこなせるようになれば、それはもはや一つの長所であり、書くことがますます楽しくなります。
この先のページが書字上達のきっかけになりますことを願っています。