「字なんて読めればいい、内容さえ伝われば問題ない」そう考えていた時期がありました。
その割には達筆な人の書きぶりがやけに気になったり、人前での筆記をことさらに避けてきたりと、気持ちと行動がちぐはぐな状態で、悪筆に対する負い目が消えることはありませんでした。
決定打となったのは、判読できない自分の筆跡に困り果ててしまった経験です。
(高速でメモ書きすると、ミミズが這ったような字になってしまうのです)
「自分でまとめたノートなのに何と書いてあるのか分からない…」社会人にもなってこんな字を人に読ませるようではさすがにマズイと半ば衝動的に申し込んだのは、ユーキャンの実用ボールペン字講座でした。
そもそもクセ字は直せるモノなのか、そんな疑問についてネットで情報を探すも確信には迫れず、「それなら自分が人柱になるしかない」と思い立って作成したのがこのページです。
2007年に修了したユーキャンの実用ボールペン字講座について、当時の記録からその効果を検証し、これを読んでいるあなたも書字の上達は果たして可能なのか、私なりの考えをここにまとめておきます。
前もって触れておきますが、この手の通信講座は確かに効果はありました。とはいえ、みるみる字が上手くなっていく都合の良い展開などあるわけもなく…。
どうしようもない手先の不器用さを目の当たりにした上で、上達するきっかけをどのようにして掴んだのか、少なくとも"相手に伝わる字"は書けるようになったよという過去の体験談をお話します。
実用ボールペン字講座を受講した効果 ビフォーアフターで比較
まず始めに、「20歳当時の自分が書いた住所」と「ボールペン字講座で添削指導を受けた後の住所」を比較してみます。
結果的にどこまで変わったかというと……
劇的な変化は得られなかったものの「なんだ、私だってやれば出来るじゃん」と、わずかでも前進できた嬉しさはありました。
ビフォーの住所は、「ペン習字」という言葉すら知らなかった頃に書いた、履歴書の本気文字です。
ひどいクセ字もそうですが、何より字間が詰まっており、息苦しさや圧迫感を感じます。不採用となって持ち帰った履歴書でもあり、懇切丁寧に書いてもこの程度が限界でした。
アフターの文字は、ボールペン字講座を受講してから3ヶ月ほど経った、第五回目の添削結果です。講師が住所氏名の手本を書いてくださるので、それを真似てひたすら練習しました。
こう見返してみると、字形の狂いはかなり解消されたように感じます。
以前は、芳名帳に記された美しい名前書きを見ても、「自分もこんな風に書けたらどんなにいいことか」と羨むのが関の山で、それはその人が持つ固有の能力なのだと決めつけていた節がありました。
上達効果を感じるまでのダイジェスト
受講のきっかけは新聞の折込チラシ
実用ボールペン字講座を受講したのは、正月明けに届いた朝刊の折り込みチラシがきっかけでした。
「大人になれば、その人らしい味のある字が書ける」そんな兆候が全く表れなかった当時の私にとって、"1日20分の練習で字が上手くなる"という広告の触れ込みは実に効果的でした。
年明け特有の根拠のない自信も後押しとなり、半ば衝動的に通信講座の受講を決意します。
現実はそんなに甘くなかった話
思えば、意気揚々と申し込んで教材が届くまでの数日間がいちばん幸せだったのかもしれません。
立派なテキストも手に入り、「これでようやく汚い字ともおさらばできるんだ」と気分よくボールペン字講座はスタートしました。
書字上達の効果はすぐに現れるものとばかり思っていたのですが…。
(「年賀状」を書く課題に挑戦するも無残な結果に…)
フタを開けてみると、己の悪筆ぶりをまざまざと見せつけられるばかりで、このコンプレックスと向き合うだけでも神経をすり減らした苦い記憶があります。
そもそも、文字を書くことに楽しさを見い出していない当時の私にとって、手本を繰り返し真似する練習がどうにも辛く、1日20分と時間を決めて取り組むだけでも、それはもう大変なコトでした。
有り体に言えば、さっさと字が上手くなりたかったのです。
できれば面倒に感じる練習はしたくなかったのが正直な所で、ボールペン字講座の開始早々に現実世界へ引き戻されました。「世の中そんなうまい話はないのだな」と。
テキストが「ひらがなの練習」から始まる理由
だからこそ、テキストの第一巻は「ひらがな」から始まるのかもしれません。
文章の約70%を占める「ひらがな」が上手に書ければ、文面全体の印象も良くなる、という法則をもとに、この講座では、最初の8日間の集中レッスンで上達を感じるカリキュラムが組まれています。
ここで目に見える成果を得た人は、幸先の良いスタートをきれますが、学習効果には個人差があるわけで…。
私の場合は、小学生の頃に習った「書写」の授業で先生は何を教えたかったのか、おぼろげながらも理解し始めたことが上達していくきっかけになりました。
受講中に気付いた上達のコツ「なぞり書きでも字は上手くなる」
盛りだくさんの教材に込められたメッセージはどれも一貫していて、「手本をよく見て書きましょう」この一言に尽きます。
「手本をよく見る」必要性については、小学校の担任先生からも同じような指導を受けた覚えがあります。
あのね、すぐに書き出さなくてもいいから、まずはよく観察するところから始めましょうね。
ほら、このひらがなの"点"はどこに置いた方がきれいに見える?
「A」の文字はバランスに欠けている様子が何となく分かりますかね…?
でもなぜ「A」が良くないと判断したのか、その理由をきちんと説明するのは難しくないですか…?
「何となくだけど、Bの文字の方が整っている感じがする」
これってつまり、私たちには"学校の書写教育で教わった文字の美的感覚がしっかり備わっている"コトの表れだと思うのですよ。
なので、眠っている美的感性を呼び起こし、きちんと使えるようにする。そこがミソだと思うのです。
では、具体的にどうすればいいのか。
この講座を監修した鈴木啓水先生は、美文字になる秘訣を次のように説明しています。
美文字を書くために必要なことは二つしかありません。
一つ目は「美しい文字とはどういう形なのか、頭で思い描ける」こと、
二つ目は「頭で思い描いた形を、実際に手で書くことができる」ことです。(中略)
美文字を頭に描けても、手がお手本通りに動かなければうまく書くことはできないという、とてもシンプルな理屈なんです。
上達のコツは、お手本をよく観察し、なぞり書きなどの練習を繰り返して、美文字の形を手で覚えること。
- 「字をきれいに書く」ための2つの方法とは? - マナトピ
つまり、理想とする文字の形をイメージしたら、その通りにペンを動かす訓練が重要で、「なぞり書き」はその初歩的な訓練にあたるというコト。
目習い(観察)した後に手習い(再現)する、この繰り返し練習が肝だったのです。
(目と手を協調させて書いたら、「手本」で答え合わせするのが上達の秘訣)
とは言ってもですよ。この理屈が腑に落ちたところで、手が思い通りに動かないのですよ、私の場合。
そうやってトントン拍子で上達していくのは、子どもの頃に書道を習っていたとか、絵を描くのが昔から好きだったとか、手先を器用に動かす技術を温存していた人くらいなもので、
私のような"ぶきっちょさん"は、「見る力」と「書く力」が劣るため、「書き上げた字の何が良くないのか、それさえよく分からない」そんなジレンマに陥ってしまうのです。
「イメージした理想の文字とはあまりにもかけ離れた、子供っぽい字しか書けないんだけど……」
そのギャップを埋めるにあたっては、先生目線による通信添削がまさに渡りに船でした。
通信添削のおかげでクセ字の原因に気付けた
「自分のことは自分がよく分かっている」この言葉、手書き文字に関してはとんと当てはまらないです、ほんとに。
人によっては、何十年と貫いてきた自分の癖です。字のバランスが狂っている箇所をひと目で見抜く方が難しいってものですよね。
(著作権の関係で、自分なりにユーキャン風の添削を再現してみました)
課題の添削を通して、それまで気付きもしなかった書き癖が分かるようになり、徐々にではありますが、整った文字を書ける確率が高まっていきました。
添削の傾向としては、字形のくずれを指摘する朱筆が多かったです。どこをどう直せば手本の型に近づくのか、文字の定期検診を受けるような気持ちで課題の提出を繰り返します。
上達を実感するまでには相応の時間が必要だった
これは後になって分ったことですが、成長曲線の踊り場ともいえるプラトー現象(努力のしきい値)をどう乗り越えるかが学習の頓挫を防ぐ鍵となるようです。
私はいちど挫折した組です。字がさっぱり上手くならない状態にしびれを切らし、テキストの3冊目でリタイアしてしまいました。
それでも、せめて払った分の元は取り返したいその一心で受講期限の終盤で尻に火がつき、成長が鈍い期間(プラトー現象)をなんとか踏破できました。
ボールペン字講座を修了した結果、どうなったのか
ユーキャンの実用ボールペン字講座を修了した後に確認しておきたかったことが1つあります。
ペン習字を習えば、どんな状況でもきれいな字を書けるのか、この講座の最後の課題を提出した翌日にそれぞれのシチュエーションに合わせて、ひとつの文を書いてみました。
「筆記する速度によって筆跡はどのように変わるのか」少し実験をしてみます。
(記録日 2007年3月)
- パターンA
- 人の話を聞きながら素早くメモを取ったときの書きぶり↓
- パターンB
- ひとりで考え事をしながら手帳に記入するときの書きぶり↓
- パターンC
- 人前で恥ずかしい思いをしたくないときの書きぶり
- (問診票や入会申込書へ記入する際の筆記速度)↓
- パターンD
- きれいな字を書くためなら、いくら時間をかけても構わないときの書きぶり
- (履歴書や願書を書く際の筆記速度)↓
こうして見ると、自分しか読まない パターンA,B の筆跡は、ペン習字を始める前の状態と変わりありません。しかし、きれいな字を書く必要に迫られた場面では、この講座で学んだ書字のコツを発揮できるようになりました。
ペン習字を習うことで、ひどい書きぶりの下限が底上げされたというよりは、「きれいに書かなければ」と強く念じたときだけ、その力を使えるのが実態のようです。
きれいな字の書き方を身につけたといっても、速書きすると元の筆跡に戻ってしまうため、メモ書きすら美しく書くには、さらに練習を重ねる必要がありそうです。
率直な感想・口コミを一言で表すなら……
その日の練習を終えるたびにいつも感じていたコトがあります。
それは、頭では分かっているのに、指先がその通りに動いてくれないもどかしさ。
「書写の練習って脳トレに似ているよね」
結局のところ、字の練習って、思った通りに書けないもどかしさとの闘いなのだと思います。
「続けてさえいれば字は上手くなる」これは確かな事実なのですが、じゃあ「めげない気持ちをどこから引っ張ってくるのか」モチベーション管理が最大の攻略法になるとリアルに感じました。
私の場合は、「後には引けない(受講費用の元を取る!)覚悟」の助けもあって、なんとか修了できたわけですが…(受講期限という締め切り効果は絶大だった)。
一見するとあやしい「ユーキャンの実用ボールペン字講座」の体験レポートでした。
※2017年 追記(あれから10年)
この話には続きがあってですね、その後も字の練習を自分の出来る範囲で続けてみたんですよ(もうかれこれ10年くらいは継続してます)。
今度は あるコトに着目して練習してみたら、あれだけ苦痛だった書写の練習が思いのほか楽しく感じたんですね。
その結果、ちょっとした頂き物をした際にも自筆でさらさらとお礼状を書けるようになりました。
書いた文字そのものが"贈り物"にもなると気付いてからは、字の練習にも熱が入り、身につけた技術は誰からも奪われない私だけの宝物になっています。
「字が上手くなる秘訣ってなにかあるんですか?」たまに聞かれることがあるのですが、私が返す答えはだいたい決まっています。
それは「心がときめく手本を選ぶコト」です。
過去の経験から、字の上達には「手本選びがもっとも重要な鍵になる」そう思うようになりました。
好きな手本でないと字の練習は続かない
この事実はあまり知られていないように思います。
それもそうですよね、「文字・書風に愛着を持てる人は書字が上達しやすい」なんて事柄は教本には載っていませんし、手書きがめちゃくちゃ苦手だった当時の私では知り得なかった価値観でした。
私はですね、字の練習が続かない理由は「習う手本にときめく要素がないから」この点が強く影響しているものと考えています。
「いやいや、手書きなんてコミュニケーションの"一手段"にしか過ぎないでしょ」という、ぞんざいに扱う所から入っていくと、
- 受講者数ナンバーワンの大人気 通信講座 とか
- 年会費がとても安いペン字通信講座 とか
そういった口コミや魅力的なキャッチコピーが始めるきっかけとなってしまうんですよ。
その結果、「いざペン習字を始めてはみたものの、なんだか面白くないし最後まで続かなかった…」という悪循環に陥ってしまうのです(私のしくじり体験)。
でも、これって当然の成り行きだと思いませんか。
「みんなが習っている講座なら私にも効果があるはず」そんな不確かな理由で見切り発車してしまうのですから。
強い「あこがれ」が怠惰な自分を引っ張ってくれる
不思議なことに
ペン習字を衝動的に始める人の感情にはいくつかパターンがあって、
- 「もう少し丁寧に書いてください」と言われたときの[恥ずかしさ]
- 「ママの字、読めないんだけど」と言われるかもしれない[申し訳なさ]
- 馬鹿にしてきたあの人を見返してやりたい[汚名返上]
- 私もあのような美しい字を書きたい[強い憧れ]
だいたいこの内のどれかに当てはまります。
※負の感情をきっかけに習い始める人が非常に多く、私自身もそうだった
そして最後までやりきる人、これはほぼ決まっており、
憧れの対象がはっきりしている人ほど着実に上達している傾向にあります。
(いつかこんな風に書けたら…と想う気持ちはすごく大事)
つまり、字の練習にも夢中になれる要素(特に強い憧れ)が必要だと思うのです。
「今日はこの練習をしないといけないのか、なんか辛いな…」と不満を抱えながら取り組むよりは、「この手本の書きぶりがやっぱり好き。今日もたくさん書きたいな」と些細な喜びを感じながら練習したほうが絶対に楽しいですし、
そうなるためには、ビビビ!とくる手本の講座を選んだ方が理想とする字に近づきやすいです。
なので、「この字はなんか好きかも」「ちょっと書いてみたいかも」そういったフィーリングで習う手本を決めてしまった方が美しい字が書けると私は考えています。
単純に「好きだから」という理由を意図的に作るだけで字の練習って長続きするモノなのです。
私はこの講座の手本が良いと思った
この手本を使って美文字を極めていこうと思わせてくれた通信講座があります。
日ペンのボールペン習字講座です。
『なかよし』や『りぼん』といった少女マンガ雑誌の裏表紙にかつて掲載されていた通信講座なのですが、私の中では日ペン講座の手本がいちばんしっくり来ました。
公式ページ 日ペンのボールペン習字講座
もちろん、手本との相性は個人の好き好みが関係しますから、このページを読んでいるあなたにも合う手本とは限りませんし、「なんかちょっと違うかも」と感じるコトだってあるはずです。
参考までに、この講座で使用されている「日ペン手本」のサンプルを私なりに作ってみました。
この講座を通して書けるようになった「ひらがな」の例
好みの手本を選ぶ際は、日常筆記の中でも使用頻度が多い「ひらがな」を基準に選定していくといいです。
「好きな手本を決めたら、キッチンタイマー練習法で集中して取り組む」
私がたどり着いた書字上達の極意とは要約すると、たったこれだけのコトです。
この方法でしたら、書店で好きな教材を選ぶだけで誰でも簡単に実践できますので、ぜひ試してみてください。
一方で、独学では続ける自信がない人もいるのではないかと…。
- 自宅学習だと、見たいドラマやスマホの誘惑に打ち勝てるか不安。
- テキストの進み具合を定期的にチェックしてもらうやり方だったら、ほどよい緊張感を維持しながら続けられそう。
- けれど、こども中心の生活のため、教室には毎週通えない。それでも先生には見てほしい。
仕事や育児で大変だけど、それを諦める理由にしたくない人でしたら、受講生の気持ちに寄り添った日ペンの通信添削が心強い助けになるはずです。
親身な添削だから応援してくださる気持ちが伝わってくる
私自身、決まった日時に予定を入れるのが苦手という理由から、これまで通信教育オンリーでいくつかのペン字通信講座を渡り歩いてきました。
その中でも、日本ペン習字研究会(日ペン)の先生が指導する添削内容がもっとも充実していたように感じます。
基本は褒めつつ、不安定な形をした文字については、しっかりとチェックが入っています。
本当に些細な箇所にお直しが入っているんですけど、字が上手くなるというのは、こういった細かな気配りの積み重ねにあると教えていただきました。
枠からはみ出す勢いのメッセージを残していただけると、応援してくださっている気持ちがそれとなく伝わってきて嬉しかったですし、美しい肉筆を生で拝見できたことも練習する意欲に繋がりました。
あなたの指導を担当される先生は、日本ペン習字研究会の師範の先生方です。
ペン習字歴、指導歴10年以上のベテランの方々ですから、安心しておまかせください。
- 日ペンのボールペン習字講座 「学習ガイド」p6
ここまで面倒見がよい理由としては、日ペンに所属している2万人近い会員の中でも、トップクラスの先生が添削講師を受け持っているからではないかと予想します。
というのは、この講座の特典にもなっている、日ペンが主催するスクーリングの無料参加券を以前に使ったことがありまして、きめ細やかな指導体制というのは、こういった現場から生まれているのだなと、そのとき実感しました。
もしあなたが日ペンのボールペン習字講座で学ぶなら
せっかくの受講費用を無駄にしないためにも、知っておいて欲しい事が1つあります。
この手の通信講座は、人によって向き不向きがある事です。
まさに私がその典型例でして、すぐにでも効果を感じる期待感が大きすぎると、ある日を境に練習が億劫になってしまう可能性があります。
それでも、ここまで読んだ方なら美しい字を書くために必要な心構えは、既にご存知なはず。
先ほどの「ひらがな見本」がお気に召すようでしたら、幸先よくスタートできるかと思います。
私が受講した日ペンのボールペン習字講座の教材について、その内容をまとめておきますね。
教材の内容は、
- メインテキスト 7冊(ひらがなから始まります)
- 復習用のトレーニングブック 2冊
- 筆ペンが上手くなる付録テキスト 1冊
- 美文字の書き方を収録したDVD(120分)
- テキストに載っていない字も練習できる『硬筆字典』
- スクーリングに使える 講習会の「無料参加券」
- 住所・氏名の直筆手本
- 添削 計12回
となっており、豊富な添削回数を特徴とする通信講座です。
資料請求【無料】 日ペンのボールペン習字講座
これは私の推測ですが、ペン習字の通信講座は、添削による手間賃が内訳の大部分を占めていると考えています。
つまり、受講を決める際は、添削が必要かどうかも1つの判断材料になるわけです。
受講に必要な費用は、29,800円となっており、分割払いも可能です。その場合、月々2,000円(1日あたり70円)程度の負担となり、受講開始から最長12ヶ月間の学習猶予があることを踏まえると、不当に高いといった印象はありませんでした。
この受講費用は、通学するときの相場と比べて半値以下に近く、家計的にも助かりました(個人教室だと入会費 + 教材費 + 月謝代= 毎月の固定費が5,000円前後はかかる)。
- 練習の方向性が合っているか、専門家の目でチェックして欲しい。
- 「個性が強い達筆な字」よりも「クセのない自然な美文字」を身につけたい。
- この講座を修了した後も同じ手本で練習を続けていきたい。
といった人でしたら、日ペン(日本ペン習字研究会)が監修するボールペン習字講座が最初のステップとしてふさわしいです。
添削課題を最低でも月にいちど提出することを心がければ、受講期限内に全課程を修了できるカリキュラムとなっています。
締切日を決めて取り組んだ方が捗る人にとっては、相性がいい講座です。
「1日20分の練習で本当に字が上手くなるの? 」正確には…
実際問題、ペン習字の通信講座を始めたとして、「そんな短時間(1日20分程度)の練習で上達できるものなのか」この点はとても気になりますよね。
練習時間の目安は、正しくは「1セット20分」。私の体感としては、この表現がふさわしいように感じています。当然ながら、長時間にわたって練習できる人のほうが上達が早まるのは確かです。
でもですね、本気になって書写練習に取り組むと、30分おきにいちどは休憩を挟まないと、とてもじゃないですけど集中力が持ちません(私の場合)。
1セット分の練習が終わったら、甘いモノを補給したくなる気持ちが強くなります。
字の練習の醍醐味とは、頭をフル回転させて集中力をすべて使い切った後の心地よい爽快感にあるのではないかと(その後、アルフォートをほお張るまでが私のルーティン)。
(1日分の練習量はこのくらい)
日ペンのボールペン習字講座では、1日分の練習量を「見開き2ページ」と定めていて、およそ20~30分程度で終わるテキストの作りになっています。
ですので、普段の生活から離れて気分転換したいとき、この講座のテキストを使った書写練習はとても都合が良く、ちょっとしたすきま時間が私のための時間になるんですよ。
1日のうち20~30分程度のことですが、自分のためになる過ごし方が少しでもできると、不思議と心が落ち着くんですよね。
「私には何かひとつ夢中になれることがある」という逃げ場は、仕事場での疲れやストレスも軽減してくれるようで、文字と向き合う非日常感が私にとって大切な時間になっています。
ペン1本でおもてなしができた話
私、字の練習だけは奇跡的に長く続けて来られたんですけど、
いつしか「結果はともあれ、道中が楽しめてるならそれでいいや」と心変わりしてしまい、人から自筆がどう思われているかについては二の次にして過ごしてきました。
ところが先日、メルカリで古着を出品する機会があってですね、
商品を取引したお相手から
「美しい手書きの一筆箋が入っており、心が和みました」との評価コメントを後日いただきました。
(確かに丁寧に一筆したためた覚えはある。でもまさかそんな反応をいただけるとは…)
ペン習字を習ったことで
私なりの誠意や真心を伝える手段がひとつ増えていたのはうれしい発見でした。
P.S. 今頑張りたいあなたへ
クセ字を解消して最終的に着地するところって、コンプレックスが自尊心に変わる「自己肯定」だと思うんですね。
自分の字を「なんか好きかも、大丈夫、良くなってるよ」とポジティブに捉えて進んでいけたら、そこからの人生はきっと良い方向に向かうはず。
人一倍不器用な私でも変わることが出来たんです。
あなただってきっと変われるはず。
美文字の練習、一緒にがんばってみませんか。
私は「自分の字を好きになるきっかけ」を日ペンの手本から見つけ出せました。