2015年11月30日 (月)から、NHKまる得マガジンで「ルールを覚えて美しく!今から始める筆ペン」がスタートします。
講師は、独自の美文字メソッドを提唱し、書写・書道教育の研究者でもある青山浩之先生です。
第1回目放送は、11月30日(月)
11月30日(月) 午後9時55分
今から始める筆ペン
(1)「45度から始まる」筆ペンの基本を学ぶ。ポイントは筆ペンの穂先の向きや腕の角度を45度にする。姿勢は背筋をピンと伸ばし、お腹と机の間、背中と背もたれの間を握りこぶし1つ分あける。
講師は書家で横浜国立大学教授の青山浩之さん、生徒は女優の奥山佳恵さん。
- まる得マガジン くらしのパートナー
本放送は、筆ペンの中でも筆先にコシがあり、線の強弱をつけやすい「毛筆タイプ」を上手に使いこなすコツを紹介する内容になっています。
「年賀状に手書きの一筆を加えたいけれど、上手く書ける自信がない」といった人は、参考にできる箇所が多く見つかるはずです。
放送期間 11月~12月
2015年11月30日から12月10日までの間、全8回のシリーズが2度放送されます。
本放送(1回目)2015年 11月30日から12月10日※終了しました教育テレビ 午後9:55~10:00 月・火・水・木再放送(2回目)2015年 12月07日~12月17日※終了しました教育テレビ 午前11:55~12:00 月・火・水・木
放送期間 1月~2月
2016年1月18日から2月4日までの間、全8回のシリーズが2度放送されます。
つまり、同じ内容の放送が11月から翌年2月にかけて計4回あるということですね。
本放送(3回目)2016年 1月18日~1月28日※終了しました教育テレビ 午後9:55~10:00 月・火・水・木再放送(4回目)2016年 1月25日~2月4日※終了しました教育テレビ 午前11:55~12:00 月・火・水・木
筆ペンで書くコツが分かります
一般的に使いやすい筆ペンといえば、サインペンとして販売している「硬筆タイプ」です。筆先がアクリル繊維となっている硬筆タイプの筆ペンは、ボールペンの書き味に近いせいか、なじみ感もあり、簡単に毛筆風の書きぶりを再現しやすい筆記具でもあります。
「年賀状の一言メッセージ」といった小さな文字を書く際には硬筆タイプが最適ですが、筆圧の加減が乏しく、宛名書きほどの字粒となると迫力に欠けてしまうのが難点です。
その点で毛筆タイプの筆ペンは、苦手とする筆記場面がありません。これ一本で「のし袋」から「季節の挨拶状」まで作成できるため、いつかは使いこなせるようになりたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
毛筆タイプの筆ペンは、扱い方を習熟するまで時間がかかるのが欠点であり、書き方の基本から学べる本放送によって、本格的な筆文字を書くコツを学べます。
全8回の放送を見ました 気になったところ
録画しておいた全8回の放送を通しで見ました。
使用していた筆ペンは「あかしや 新毛筆」
特定企業の宣伝にならないよう、NHKは特に商品のロゴを隠していることが多いです。
それでもどんな筆ペンを使用しているのかしばらく見ていると、会話シーンの途中で「あかしや 新毛筆」という商品ロゴがちらりと見えました。
この「あかしや 新毛筆」、私も使ってみましたが、常用している「ぺんてる つみ穂」と比べると穂先がとても柔らかく、個人的には書きづらく感じました。
こういったクセのある筆記具って、ひとつのメーカーに落ち着いてしまうと他社の書き味に抵抗感を持ってしまうというか、とにかく苦手意識を抱いてしまうんですよね。
ただ、どの筆ペンを書きやすく感じるかは本当に人それぞれですし、実際に使って書いてみないと分からないのが筆記具探しの醍醐味でもあります。
シーンに合わせた筆文字が書けるようになる?
生徒として出演されていた女優の奥山佳恵さんがもっとも興味を示していた回が、読む人に温かい印象をあたえる「やわらか文字の書き方」でした。
「あったか~い!あたたかい空気が入りました!」と青山先生が書かれる文字へのリアクション度がいちばん高かったのがこの「やわらか文字」で、この女優さんはこういった「ふわっとした明るい字」を生活の中に取り入れたいんだろうな、というのがひと目で分かってしまうほど意欲的にレッスンを受けていたのが印象的でした。
青山先生がレクチャーしていた言葉の中には、
- 角(折れ)の部分に丸みをつける。
- 字の中にたくさん空気を入れる。
- 全体的に丸みを帯びてふっくらした文字にする。
といったフレーズがあって、ちょっとした練習で生徒の奥山さんが書いてみると…
文字の印象がだいぶ変わりました。文字にふわっとした空気が入っている感じが伝わってきます。
頭のなかでイメージしやすく、書きやすく、しかも味があるように見えるのが「やわらか文字」の特徴なのでしょうね。
理屈っぽくなくて、誰にでも分かる言葉で説明してくれるのが青山メソッドの良いところで、「やわらか文字」を書く具体的なコツを惜しみなく紹介してくれました。
全体的な放送内容としては、筆ペンの用筆法(穂先の動かし方や筆圧のコントロール)を前半で学び、後半は「シーンに合わせた筆文字の書き方」となっていました。
紹介する筆文字のバリエーションは、
- やわらか文字
- 季節の便り、ぽち袋、お礼状など
- ふんわりやさしい雰囲気を伝えたいときに。
- きっちり文字
- 目上の人への挨拶状、不祝儀袋など
- フォーマルな場面でしっかりした印象を伝えたいときに。
さらに応用編として、逆筆を使った「どっしり文字」や「かろやか文字」といった遊び心のある筆ペンのコツも教えていただきました。
全8回のレッスンでどのくらい上手くなったのか
生徒の奥山さんが初回に書いた自分の名前(右側)と最終回に書いた名前(左側)。
初回に書いた名前は、「私の中での書道はこういうイメージ」という先入観のもとにリズムよくサッサッと書かれていて、結果的に筆法が伴っていない幼い字になっていましたが、最終回の名前書きでは今までの集大成がしっかり表れているのが見て取れます。
レッスン後の「山」の起筆なんてどれもしっかり出来ていて、字形のバランスも掴めているのではないでしょうか。青山先生と対面しての収録がわずか数日だとして短期間でこの上達ぶりは、すばらしいと思います。
個人的な収穫は、筆ペンの用筆法を学べたこと
「筆ペンによる右払いはどうやったら上手く書けるのか」とくに終筆がのっぺりとした形になってしまうのが個人的な悩みでした。
この悩みを解決するのに参考になったのが放送2日目「強弱をつけて美しく」の回で、薄墨と朱墨を使って穂先がどんな道をたどり、そのときの筆圧はどうなっているのか5段階の数字で明記している点がとても分かりやすかったです。1。
ペン習字にはなくて筆ペンにある特徴をひとつ挙げるとしたら、筆記具の「大胆な浮き沈み」ではないでしょうか(3Dの動きともいうか)。どの角度で入筆して、終筆する際はどうやって穂先をまとめればいいのか、これが筆ペンになるとごまかしが効かず、毛筆タイプ特有のむずかしさでもあり…。
青山先生の穂先の動かし方について繰り返し観察してみるのもたいへん勉強になると思います。今回の放送を見逃した人は、2016年1月分の放送をチェックしてみてください。
筆ペンの用筆法が4割、字形の整え方が3割、シチュエーションに合わせた筆文字の書き方が3割といった内容でした。
- 「右払い」の詳しい筆遣いは、テキスト版に載っています。 [↩]
コメント
こんにちわ。
キャリカレというところで青山先生の通信教育が始まったらしいです。
http://www.c-c-j.com/course/products/utility/pen/
情報のご提供ありがとうございます。
参考にさせていただきます。