マイナーすぎるせいか、ネット上ではあまり話題に登らず、未だ日の目を見ない文房具があります。
見た目は万年筆と似ているようで少し違うデスクペンという筆記具を紹介します。
デスクペンを1行で説明すると
デスクペンは、「卓上での利用に特化した筆記具」です。
その大きさゆえにペンケースに収まりきらず、携帯するには不向きなペンでもあります。
高級感あふれる万年筆と比べると、外観・ニブ刻印ともにシンプルで、尾軸の形状がシュッとすぼまっているのが特徴です。
最近では、入門用万年筆「カクノ」や「プレピー」の登場によってデスクペンの影がさらに薄くなってしまいましたが、日本語が美しく書ける一点においては抜きん出ており、事務仕事やペン習字のお供として多くの人に愛用されています。
[安価][細字]が特徴のデスクペン
手軽に万年筆感覚を味わうにあたって、デスクペンは手に取りやすい筆記具のひとつです。
万年筆と比べて細字タイプに傾倒している
現在、デスクペンを製造している筆記具メーカーは3社あり、
- パイロットコーポレーション
- プラチナ万年筆
- セーラー万年筆
いずれのメーカーも細字タイプの製品が特に多く、これは日常的な筆記を強く意識したラインナップではないかと思います。
字幅が細いと、小さな文字を書いても黒つぶれしにくく、デスクペンは日本語を書くのに適した筆記具です。
ペン先の素材は「ステンレス」
デスクペンは安価で手に入ることもあって、ペン先の素材は「金メッキ仕上げのステンレス」1となっています(鉄ペンとも言います)。
ステンレス鋼という素材の特性上、金ペン2と比べてペン先の弾力性は乏しいです。
- 「金ペンは紙当たりが優しく、しなやかに書ける」
- 「鉄ペンはカリカリ感があって、書き味が硬い」
デスクペンの書き心地は後者に該当します。
ハード調のペン先は、筆記時に紙面から受ける反発が強く、手が疲れやすい特性がありますが、「線は力を入れなくても書けるもの」という意識が持てるようになると、この辺のデメリットは帳消しにできます。
私が思うデスクペンの長所 3つ
その1. シャープで安定した線を書きやすい
ボールペンとデスクペンではインクが出る仕組みが異なります。
ボールの回転によってインクが転写されるボールペンは、いわば「玉乗りをしている状態で線を書くようなもの」で、特に油性ボールペンはペン先が自走しやすく、硬い机の上で書くと思わぬ方向に線がブレやすいです。
一方、デスクペンは、書き手の筆圧が紙面へ直に伝わるため、線質に安定感が出ます。
金ペンほどではないものの、ペン先のたわみがサスペンションの役割を果たし、筆圧を一定に保ちつつ、手先の疲れを軽減します。
また、書き味の良さを重視した万年筆は、インクフローが潤沢なせいか、線のアウトラインが微妙にぼやけます。これを「味わい」として楽しむ用途なら問題ないのですが、ペン習字のようなメリハリある文字を書きたいときはデスクペンが適しています。
その2. 細身の軸が良い
ペン先に向かって徐々に細くなる胴軸は、手に馴染みやすく、これは万年筆の持ちやすさを一部継承しているようにも感じます。
加えてデスクペンは胴軸経が小さいため、細軸派の人にとっては、さらに持ちやすく感じるはずです。
その3. コスパに優れている
「極細万年筆の書き味が安価で手に入る」デスクペンの存在意義はここにあるのかなと個人的には思います。
たとえば、プラチナ万年筆の「#3776 センチュリー」が欲しいと思っている人は、同メーカーから発売されている1,000円程度のデスクペンで似たような書き味が手に入ると考えたら、かなりお得です。
中にはその書き味に魅了され、「万年筆欲しい病」を和らげる作用もあるとか。
デスクペン、万能な筆記具ではないけれど
10年前の文房具事情だったら「すっきりとした線質で、長時間書いても疲れにくく、安価で手に入る筆記具といえばコレ」のポジションがデスクペンでした。
ところが、とどまることを知らない文房具の技術革新によって今では「ユニボールシグノ(0.28mm)」といった超極細のゲルインクボールペンが登場しています。
目詰まりの心配から、染料インクを使わざるを得ないデスクペンと比べると、ゲルインクは顔料系も備えていて、線が滲みにくく耐水性もあります。
「売れる商品に資金を投入して開発力を高めるサイクル」がボールペン市場には出来上がっているのに対して、デスクペンは一部の商品が廃盤になるケースも起き、もはや蚊帳の外といいますか、時代の波に取り残されている感は否めません。
それでもいちばんのメリットは
私の中でのデスクペンの立ち位置は「つけペンほどではないものの、万年筆系統の中では"冴えた張りのあるきれいな線"を書きやすく、管理の手間もそれほど要らない手頃な筆記具」といった位置づけです。
特にデスクペン用のスタンドと対を成したときに本領を発揮する気がします。
限りある机の領域内で専用スタンドという特別座席を与えるVIP待遇によってデスクペンの格は上がり、ひと味違った所有感を味わえるのです。
手に持った瞬間から書き出せる手軽さが私としては何にも代えがたく、キャップを脱着する一手間を省ける筆記環境にあやかれるのが、あえてデスクペンを使い続ける理由かもしれません。
もともと筆圧の高い人は、まずはデスクペンを足がかりにするとファースト万年筆のペン先寿命が伸びますし、いっそ極細万年筆の代わりとして使い続けるのも良いですし、補充しやすい価格帯だけにかなり都合の良い筆記具です。
はじめの一本を選ぶとしたら
(手持ちのデスクペンを並べてみました。かなり種類があります)
デスクペンを扱っている国産メーカーと主な品名は次のようになっています。
(品名をクリックすると、アマゾンでの検索結果が表示されます)
- パイロット
- 字幅は EF(極細) F(細字) M(中字)
- プラチナ
- 字幅は EF(極細) F(細字) M(中字)
- セーラー
- デスクペン (1,000円)
- 字幅は EF(極細)のみ
パイロットとプラチナで共通しているのは、いちばん安い価格帯のデスクペンからワンランク上のペンに移行すると、書き味の変化が如実に分かるほど滑らかになり、カリカリ成分が大幅に軽減します。
一方、ミドルクラス(1,000~2,000円)からトップクラス(3,000~5,000円)のデスクペンに買い替えると、万年筆の性質により近づきシャープな線質が失われていくため「じゃあ、デスクペンじゃなくてもいいよね」といった感想になりがちです。
よって、各メーカーのミドルクラス(1,000~2,000円程度)が書き味と価格のバランスがとれたデスクペンになる、というのが数年使用した私なりの実感です。
次に挙げる2本のデスクペンがそれに当たります。
プラチナ DP-1000AN (定価1,080円)
- 書き味はやや硬め。
- 硬筆らしい軽快で張りのある線を書きやすい。
- どちらかといえば、楷書向きの特徴がある。
パイロット DPN-200 (定価2,160円)
- デスクペンの中では紙当たりが優しめ。
- 伸びやかで筆力ある重厚な線を書きやすい。
- どちらかといえば、行書向きの特徴がある。
当たりのデスクペンの見分け方
検品を通った国産製品に当たりも何もありませんが、ペン習字の観点からいうとインクフローが潤沢過ぎるデスクペンは使いにくい印象があります。
というのも、書き出し時から表面張力が分かるくらいインクが盛り上がってしまうと、線質の強弱を表現しにくいのです(つけペンで例えるなら使い倒して寿命を迎えた状態)。
線の緩急をつけやすいデスクペンの見分け方としては、普段の筆記速度は保ったまま、「筆圧ゼロによるインクフローは絞り目で、わずかに筆圧をかけるとじわっと線が太くなる」そんな個体に出会えたらペン習字用途では当たりといえます。
とはいえ、デスクペンを試筆できるお店は滅多にないので、この辺は運次第なところでもあります。
ここから先は、インクの補充とお手入れの方法について説明していきます。
2種類あるインクの補充方法
デスクペンは、万年筆と同じインクを使用できます。
カートリッジ式
カートリッジ式は、プラスチック容器に予めインクが貯蔵されており、首軸に差し込むだけで使えるタイプのインクです。
基本的には各メーカーの純正カートリッジを使うことになります。それぞれが独自規格のため、他メーカーとの互換性はありません。
パイロットのカートリッジ(左)とプラチナのカートリッジ(右)は、それぞれ「薄い蓋」と「金属球」がインク栓となっています。
装着方法は、カートリッジをまっすぐ差し込むだけです。
デスクペンの首軸に内蔵されている「槍(ヤリ)」と呼ばれる部品でカートリッジの差し込み口を破るとインクがペン先まで下りる仕組みになっています。
コンバーター式
コンバーター式を使う際は、インク瓶から直接インクを補充します。
コンバーターの種類は3つあります。
- プッシュ式
- 回転式(上の動画と同じタイプ)
- 板バネ式
こちらも各メーカーの純正コンバーターを使います。
パイロットのデスクペンは、「CON-40」 プラチナのデスクペンは、「コンバーター500」いずれも回転式のコンバーターが適合します。
コンバーターを使うと、「黒」「青」「赤」以外にも、ご当地の四季や街並みをイメージしたオリジナルインクや日本の美しい情景をモチーフとした色彩雫など、選べるインクのバリエーションが広がります。
参考 色彩雫(いろしずく)見本帖 - PILOT
お手入れの方法
最上のメンテナンスは、ペン先のインクが乾かないように毎日使うことです。
しばらく使わなかったり、別のインクを使うときは、コップの水に一晩ほど浸けておくと余分なインクが浮き出てきます。
うっかり放置してペン先にインクが固着してしまったときでも、染料系のインクでしたら、ぬるま湯に一昼夜浸しておけば復活します。
もし「セーラー極黒」といった万年筆用の「顔料インク」で目詰まりを起こしてしまった場合は、専用の洗浄液を使うと使用不能状態をリセットできます。
「カートリッジ式インクの方が手間いらずで補充しやすい」「ペン先は流水で洗浄できること」これさえ覚えておけば、デスクペンを手軽に末永く使用できます。
おわりに
デスクペンは、極細万年筆の代わりになり得ること。
このことを知ってもらいたくて今回の記事を書きました。
「メモ帳など狭い紙面に小さな文字を綺麗に筆記したい」という目的を達成したい場合は、国産の細字の鉄ペンが一番使いやすいと思っています。
- 金ペンを凌駕する国産の鉄ペン - 細字万年筆にこだわる
- 書き心地を求めるなら太字の高級万年筆
- シャープな線質を求めるなら極細万年筆もしくはデスクペン
棲み分けを明確にしておくと、無秩序にペンが増えていくことがなくなり、お気に入りの1本と出会える確立が高まります。
コメント
DPP-100 は、狩田巻山先生の ご意見を基にして、
ペン習字用につくられたディスクペンと記憶して
おります。
万年筆は携帯用としての多様な局面での筆記や、
小説家の早書き、万年筆の蒐集家としても高名で
あった梅田晴男先生の嗜好も加味されて、舶来
万年筆のインクフローに近しいように思われます。
ディスクペンは名前が示すように、常に机上にあり
紛失の恐れがありませんから、一生物の道具として
愛着に応えてくれます。
ちなみに小生は、筆圧がかなり強い方ですが、
14金のディスクペンを約40年使用し続けて
おります。
ペンポイントが私の書き癖に馴染んで、他のペン
には代え難い書き味が楽しめます。
>>祥南さん
DPP-100は、別名「デスクペン ペンジ」とも表記されていますね。
狩田先生の働きかけがあったとは知りませんでした。
デスクペンって40年も使えるんですか!驚きです。
もはや手足の一部と化しているような…。すごいです。
DPP-100は、狩田先生の声により生まれたものであるとは、初耳でした。
デスクペンは細長い形状から、どことなく取っつきにくい印象がありますが
使い慣れるとなかなかどうして、愛着が湧いてきますね。
自分が愛用するのは、セーラーのものです。
書き味はセーラーよろしく、固めであり馴染ませるにはかなり使い込まないとならないのですが、それだけ高いコストパフォーマンスを発揮してくれますね。
飾り気のないボディだから、公共の場においても気兼ねなく用いることが
できますし、下手に高いのを買うより良いやもしれません。
確かに、デスクペンにもっと光が当たっても良い話ですね。
また、デスクペンはカートリッジだけでなく、コンバーターも使えますから
その点の柔軟性を買ってみる価値もありますね。
>>くわっつめん
不得手なところが見え隠れしたり、尖った性能があると愛着が湧きやすいっていうのはありますね。
極細ボールペンの普及によってデスクペンの居場所が無くなりつつある現状ではありますが、
・万年筆の書き味を安価で疑似体験できること
・事務用品として一定の需要がある
その価値が分かる人にとっては無くてはならないものだと思います。
デスクペン、私もかなり長年愛用しています。筆圧の低い私にはわずかな筆圧でかけ、上手に見えるこのぺんはてばなせません。
でも、一般の文房具やさんにはほとんど売っていなくて廃番になってしまったのかと思ってさがしたらありました。
でも、一つだけ文句があるとしたらデザインかな。
デザインがもう少しよかったら少しくらい高くてもいいんだけどと思うのと、高い万年室で書き味を少し試したんですが、かいておられるように、あまりぬらぬらというのはすきではないので、やはりこのデスクペンが一番いいです!
>>みゆうさん
文具コーナーで見かけるデスクペンは、目立たない場所でひっそりとたたずんでいることが多いですね。
デザインに関しては、吊り下げ式の簡易パッケージからして万年筆のパチモンに見えなくもないですし、分かる人だけが求めて使っている印象があります。
昨今の細字ブームにあやかりつつ、「元祖細字ペン」としてこれからも残り続けて欲しいと願うばかりです。
プラチナからはDP-800Sという顔料系のカーボンインクを使用したデスクペンも出ているようですね
私もこの記事を見てDPN-200を購入し伝票の記入などに利用しています
とても便利だし億劫だった細かい字を書くのが楽しくて気分がいいです
教えていただきありがとうございます
>>チミチャンガさん
カーボンペンもありましたね。
プラチナのカーボンインクは、紙質によってはひどく滲む場合もあって、
使いどころを選ぶものの、紙との相性が良いと抜群に冴えた線が書けるので、
これも一癖ある部類の文房具です。
筆記具を変えるだけで、書くのが楽しくなって、気分も晴れやかになるって、 すてきな体験だと思います。
末永く愛用していただけると、私もなんだか嬉しいです。
大変参考になりました。デスクペンには意外と魅力があるんですね。これが余り注目されないのは本当に勿体ない事だと思いました。特に意識せず使っていましたが、言われてみれば「ペン習字やってます感」は確かに高まっているような気はします。
当方はプラチナのDPQ-700Aを使っています。この製品は尾軸以外はプレピーと共通でして、恐らくは当初からデスクペンとして企画開発された製品ではないと思われる事から、ここで話題にされているデスクペンとは少し毛色の違う製品(既存部品を組み合わせたデスクペンもどき)といえるのかもしれません。
もどきではありますが、ペン先を壊してしまってもプレピーの物に取り替えればいいので、安心して遠慮なく使い倒すことが出来る点がこの製品の魅力と感じています。
私の場合、プレピーと共通であることを生かして(逆手に取って?)、家の中で使う時はデスクペンとして、外に持ち出す時はプレピーと同系統であるプレジールの外装を纏わせて使い倒しています。
わざわざ組み替えなくてもプレジールをそのまま、またはプレピーの0.2を使えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、首軸が透明なのがどうも気に食わなくて…。DPQ-700Aの不透明の首軸と金メッキのペン先で見た目の高級感をアップさせる意図もあって、この様な使い方をするに至った次第です。
>>蒲池さん
なるほど、
同メーカーの同一規格を利用して外観をカスタマイズする楽しみ方もありますね。
・金メッキのペン先を特徴とする「DPQ-700A」
・メッキ調の胴軸とキャップを特徴とする「プレジール」
確かにこの組み合わせによる外観だと統一感をより醸し出せそうです。
字幅も極細ですし、ペン習字用途としても使えますね。
万年筆にあまり詳しくない人向けにまとめておきますと、
— 組み合わせ自由なプラチナの廉価万年筆・デスクペン —
・プレピー(200円) カラフルなペン先を選べる
・DPQ-700A(700円) 首軸が黒色、ペン先が金メッキで高級感を演出できる
・プレジール(1,000円) メッキ調のカラフルなキャップ・胴軸を選べる
※「プレジール」の透明パーツを「DPQ-700A」の首軸にすげ替えると、チープな見た目を解消できます。
こういった一部の人だけが知っていて、しかも簡単に誰でも出来るカスタマイズって
そう多くはないので、とても貴重な情報だと思います。
私も勉強になりました。
セーラーのデスクペンと万年筆のハイエースネオも差し替えができます。
こちらは見た目は変わらないので、EF(極細字)がないハイエースネオに、デスクペンのEFを付けて持ち歩く(手帳用など)という用途になります。
デスクペンで引っ掛かり伺いました、デスクペンいいですよねぇ私も毎日使っております。
初めはDPQ-700A からですが、いつしかシェーファーのデスクペンに出会いもう虜になりました。
EFの極細ですらカリカリ感が少なく驚きました。
プラチナに3000円のデスクペンで14金ペンがいまだにあります。昔はそういうあり得ないくらい格安金ペンがセーラーやパイロットでもあったのですが皆やめてしまいました。
デスクペンは、所詮ステンレスペンですが、ステンレスペンの短所が二つあります。一つ目は、インクが酸性だということです。つまりニブが錆びます。金ペンは錆びません。そして何といってもステンレスは硬いためペンポイントが金ペンのように変形しないので、なかなか自分の手に合う万年筆が作れないということです。さらにステンレスペンのペンポイントは磨り減ります。そのため毎日のように使うとなると長持ちさせるのは難しいでしょう。そうやって何度も買い替えるのならば、何十年使っても大丈夫で、書いた文字に自分の個性が出る金ペンを買ったほうが良いのではないでしょうか。……って書いている私も大のステンレスペンユーザーなんですけれどね……。金ペンユーザーに下に見られます。
初めまして、そちらの説明が判りやすくて参考になります。私の場合は色々とデスクペンを廃盤モデルを中心に集めました。
一番、自分に合うのはセーラーのペン軸の品番がF-9で、太さはペン習字通信を受講している関係でEFという極細です。セーラーという地味なメーカーですが、廃盤モデルの定価が¥700や¥1,000というラベルが貼ってある普通のデスクペンのスムーズな書き味に驚きました。
ところでデスクペンには寿命があるのでしょうか?ご教示ください。
【訂正】「ペン軸」の品番がF-9→「ペン先」の品番がF-9
>>匿名さん
F-9刻印のニブは、
セーラー万年筆の廃番デスクペンですね。
線の表現がペン習字向きで、隠れた名品と聞きます。
[デスクペンの寿命について]
・金ペンは高価で物持ちがよい
・鉄ペンは安価で耐久性に劣る
とよく聞きますが、
ペン先の寿命は、
ペンポイントに使用する耐摩耗合金(イリジウム)の素材が影響しているように思います。
祥南さんのコメント(2014年12月3日)によると、
40年もの耐用年数があるとのことなので、
使い方によっては一生モノになるのではないでしょうか。
私の実体験になりますが、
「パイロット DPP-100」は、1年ほどの使用でダメになりました。
初めてのデスクペンで筆圧の加減を知らなかったことが災いし、
極細の線が野太くなってしまい、使用を断念しました。
力の入れすぎで”ペン先が開いてしまった”のだと思います。
ペン先を優しく扱うよう意識し始めてからは、
寿命を感じるような変化は起こっていません。
特に、下敷きとなる「捺印マット」を重宝しています。
・クッション効果によってペン先への負荷が和らぐ。
・筆圧のグラデーションが豊かになり、線の太細を表現しやすい。
生産中止となるデスクペンは今後も増える可能性が高く、
ペン先がたわむほど筆圧をかけないよう、気をつけています。
まとめると、
・強い筆圧(スリットの開き)
・インクを入れたまま放置(鉄ペンの腐食)
・直射日光(プラスチック部分の劣化)
この3要素への配慮が長寿命のカギとなりそうです。
うた より様
丁寧でわかりやすいご説明に感銘いたしました。
ありがとうございます!
ついつい、廃番、絶版に弱く、メルカリでパイロットDPP-100,
DP-500は定価の倍以上の金額でヤフオクで落札・・馬鹿ですね。
プラチナは製造はストップしていますが、KDP-3000A (3,000円)
DP-1000AN (1,000円)を購入。今しか手に入らないでしょうね。
全てペン軸は黒色にこだわり、ペン先はEFにしています。
大体のHPやBlogを拝見すると上記の2大メーカーがお勧めでした。
しかし、「ペンの光」だったかな、ペン習字をされている方のお勧めが
1位はセーラーと書かれていたのでF-9のペン先に拘って、この度、メルカリで
七本ほど手に入れました。一本だけ下ろして書きてみるとあまりにもスムーズな書き味に
ビックリ!!
隠れた名器ですね!パイロットほど宣伝も上手くないのか地味ですが、値段は定価¥700とか
¥1,000と安価です。しかし、書き味は抜群でした!
ただし、一ヶ月ほどでパイロット、プラチナ、セーラーの廃番モデルばかり15本近く手に入れてしまい、
これでは一生、使い切れない気がしまして、ご質問になったという経緯です。
三島由紀夫が愛用した「モンブラン・マイスターシュティック149」とかパイロットのカスタムシリーズの高価な8万円以上する万年筆を買うことを思えば、安い買い物でした。
先ずはパイロット ペン習字通信講座を始めたばかりです。
出来ましたら、7年ほど続けて7段まで目指したいものです。
お礼まで
【訂正】
うたより様→Uta様
HNを失礼いたしました。
>>匿名さん
「もう手に入らないが、アレは良いものだった」と聞くと俄然ほしくなる心理、よく分かります。あらがえません。
希少価値のあるデスクペンも万年筆を購入する価格と比べれば、まだ割安。
それだけコスパに優れた筆記具でした。
15本ものストックをお持ちなら生涯学習できますね。
ペン習字がんばってください。
プラチナの14kデスクペンを愛用中で、3年目になります
パイロットのデスクペンも持っていますが、こちらはステンレスニブ
二つを描き比べると、はっきりとした書き味の違いがわかりますね
元々金ニブの万年筆歴が長いせいか筆圧はかなり弱めですが、ステンレスニブが紙に当たる時のわずかな衝撃がどうしても馴染めません
デスクペンにしてもそれはあまり変わらないですね
金ニブのデスクペンもカタログ上で生産中止になってから、今ではどこにも売っていない状況です
早い段階で万が一に備えて一本予備を買いましたが、今使っているデスクペン一本でずっといけると良いな〜なんて思ってます
とてもわかりやすくて良かったです。ペン字を学びたくて、いろいろ調べていましたが、こちらのサイトはダントツでわかりやすく、記事も読みやすくて好きです。
デスクペンとは・・・と思っていたのですが、こんなに奥が深いとは。これからも参考にさせていただきます。ありがとうございます!