ペン習字を習わずとも読みやすい字を書く人はたくさんいます。そのような人たちが潜在的に持っている美的感覚について調べてみました。
- このページ 3行まとめ
- 手書きによる文面を読みやすいと感じる要素は主に5つ。
- 字形・字粒・字間・中心線・行頭/行尾が整っているかどうか。
- ペン習字ではこれらの要素を意識しながら練習することになります。
読みやすい字を書く人とペン習字に共通する美的感覚
その1. 字形が整っている
読みやすさを担う中核は、文字の形です。
人によっては、丁寧に書いたつもりが殴り書きしたかのように取られ、普段の書き癖による字形の乱れは読みづらさに直結します。
字形を矯正できれば万事解決、とはならないのが可読性の奥深さでもあり、文字単体を整えて書く以外にも次に挙げる4項目も大切になります。
その2. 字粒が揃っている
漢字同士、ひらがな同士で大きさを揃えると、文章に統一感が生まれます。
よく言われるのが、漢字1の大きさに対して、ひらがな0.8の大きさで書くこと。タテ書きだけでなくヨコ書きにも共通するルールです。
その3. 字間が均等である
適切な字間は文章の読みやすさに貢献し、読み手の視線の流れを円滑にします。
字と字の間を空けすぎると、言葉として認識しづらくなります。
反対に、字間を詰め過ぎた場合は窮屈な印象を与えます。
ノートをきれいに取る人の特徴を観察してみると、字間はほぼ等間隔となっており、文章全体として見たとき圧迫感を感じない読みやすい構成になっているのが分かります。
その4. 中心が通っている
漢字やひらがな、それぞれの文字には中心となる軸が備わっています。
最初に書く文字の中心を基準として、後に続く文字もその中心を合わせるように配置していくと、芯が通ったような真っ直ぐな行となります。
もともと字が上手い人は、文字の整え方もそうですが、字配りのセンスが特に優れています。
このバランス感覚はペン習字を通して養える部分でもあり、習う字数が増えるほど行をまっすぐ書くための勘が冴えてきます。
その5. 行頭・行尾が揃っている
行の始まりと終わりがそれぞれ揃っていると文章が整然として見えます。
書き出しの位置を揃えるだけで良く、意識するだけで実践できる手軽な方法です。
おわりに
字の読みやすさはこれら5つの要素に集約されています。
ボールペン字講座のカリキュラムとして多いのが、始めにひらがなや漢字の字形について学習し、その後、文章としてまとめる実践編へ、といった構成です。
悪筆に悩んでいる人の多くは、字の形だけでなく、文章全体を整えるバランス感覚にも難があるため、ペン習字の効果を実感するまでには時間がかかるかもしれません。
ただ、ペン習字で評価されるポイントは、字形・字粒・字間・中心線・行頭 / 行尾が9割といってもいいくらいで、これら5つの要素を抑えておくことは、端正な字を書くための極意を知っているようなものだと思います。
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