「美文字のコツを実践しても、きれいな字が書ける気がしない」
その原因、もしかしたら"線の書き方"にあるかもしれません。
- 「思った位置に線を引けない」
- 「線がガタつく」
- 「なぜか歪んだ線になってしまう」
もし1つでも当てはまる人なら、これから紹介する練習法がきっと役に立つはず。
基礎練習としてまずは、手の準備運動から始めてみませんか。
テレビ番組「怪しい美文字大辞典」で放送された、モデルの佐藤かよさんのひらがなが劇的に上達した練習法を紹介します。
(仕事の合間に1週間ひたすらカタツムリを書き続けた結果)
思わずのけぞってしまうような字がここまで上達するってスゴくないですか。
美文字の下地をつくるには、カタツムリの「うず巻き」を書くトレーニングが効果的でした。
字に自信がない人は、かたつむりの絵を描きましょう
「カタツムリをなめらかに書ければ、ひらがなも上手になります」と説明するのは、出版した美文字練習帳が300万部以上のベストセラーとなっている書家の中塚翠涛先生。
それにしても、なぜカタツムリ……?
ひらがなの特徴でもある曲線をたくさん練習できるのが、このカタツムリのイラストです。
ひらがなには、上下左右にふくらみを持った曲線が多く使われています。
かたつむりを書き続けると、ひらがなのふっくら感を表現できる
カタツムリの螺旋をきれいに書く練習によって、ひらがなの曲線も上達するのですね。
試しに私もカタツムリを書くトレーニングに挑戦してみました。
──100回くらい書いてようやく形になってきたのですが、グルグルと渦巻きを書くだけなのに線が歪んでしまい、かなり難しかったです…。
カタツムリを何度も書くうちに上手に書くポイントを2つ見つけたので、まとめておきます。
持ち方がおかしいと、なめらかな線が書けない
佐藤かよさんが初日に先生から指摘されたのは、ペンの持ち方でした。
ペンの持ち方がおかしいたったそれだけの理由で、思った通りの線って書けないものなんですよね。
「私の持ち方、ちょっと怪しいかも…」と気になる人は、別記事で持ち方の見本をチェックできますので参考にしてみてください。
最初は潰れた渦巻きを書いていた佐藤かよさん。ペンの持ち方を正したことで綺麗なマルが書けるようになっています。
かたつむりは「等間隔」を意識して書くのがポイント
カタツムリを書くときのポイントは、等間隔を意識しながらマルを書くことです。
渦巻きの箇所は、線と線の間が均等になるように線を引っ張っていくと、形の良いマルが書けます。
番組内では、カタツムリをたくさん書くことで「手首が柔らかくなって指先も滑らかに動く効果」を狙っていました。
でも実は、線を書くトレーニングって他にも字の上達に欠かせない秘密の特訓ができるんです。
それは、狙った位置に線を引くための「目」の使い方です。
書きたい線をイメージすることが何より大切
数センチ先の線を予測すると、思った通りの線を書きやすい
カタツムリを書くこの練習法。無心になって書き続けていると、徐々に手が覚え始めてそのうち考えなくても手癖で書けるようになります。
ただこの場合、カタツムリの絵が手癖で書けるようになっただけでは、あまり意味がなく…。
カタツムリをたくさん書く目的は、イメージした線をなぞるような書き方を習得することにあるんですね。
どういうことなのか、図で説明します。
このような数センチ先の線をイメージする書き方は、漢字や「ひらがな」にもそのまま応用できます。
たとえば、ひらがなの「し」は、こんな具合に書きます↓
(たくさん練習することで「ひらがな」の線がうっすら見えてきます。いやほんとに)
きれいな字を書くためには、まずその字形を具体的にイメージする下地づくりが欠かせません。
つまり、字が上手くなるためには、
- 書きたい線を具体的に想像する目の力
- そのイメージを忠実に再現する手の力
「目」と「手」のチームワーク(協応動作)が肝なのです。
その初歩的な訓練がカタツムリを上手に書くトレーニングなんですね。
視野を広く保つと、思った通りの線を書きやすい
イメージした線をなぞる書き方にはコツがいります。
よくある失敗例と合わせて知っておいてください。
(右:手本のなぞり書きでよくある書き方)
ペン先の一点のみに意識を置いて文字を書こうとすると線は非常にブレやすく、これは手本のなぞり書きでよく起こる症状です(右のパターン)。
私の場合、そのような書き方しか知らなかったというか、インクが出てくる箇所を一心に見つめながらこれまで字を書いていました。
でもそれでは、真下を見ながら道を歩いているようなもので、視野を狭めてしまうと思った通りの線を書きづらいんですね。
大切なのは、姿勢を正して視野を広く保った上で、書きたい線をイメージすること。
これは、1センチ先の線を想像してなぞるように書いたカタツムリです。
イメージした形が紙の上に浮かび上がる、とまではいかなくても、1センチ先の予測線をなぞり書きするような練習を続けた結果、ほぼ狙い通りの線が書けるようになりました。
ひらがなに効く線のトレーニングにチャレンジ
字がうまく書けない人は、まずペンに慣れる準備運動から始めてみてください。
毎日少しずつ書くことで指先の操作感(コントロール力)がアップします。
──どうでしょうか。ただ線を引くだけなのに、なめらかに書こうとすると案外むずかしいですよね。
この線引きトレーニングを極めていくと書字の基礎が効率よく身につきます。
- 普段、手書きする機会が少ない人は…(初級編)
- 手首も一緒に動かしながらリズムよく線を書いてみて。
- → 指先の動きが滑らかになってきれいな線が書けるよ。
- ペン習字の経験がある人は…(上級編)
- 書きたい線をイメージしながらゆっくり書いてみて。
- → 記憶した字形を紙に念写できるようになるよ。
まとめ
線のトレーニング編で伝えたいことは、たった1つです。
「イメージを先置きしてからなぞる書き方がある」
このような感覚が身につくと、手本が手元になくても整った字が書けるようになります。
いつか役に立つ時がきっと来るはずです。頭の片隅に留めておいてください。
ひらがな見本シートをダウンロードできます
ひらがなの上達を目指すなら、線のトレーニングと並行して実践的な練習も同時に行ったほうがより効果的です。
ひらがな専用の見本シートを無料で配布していますので、どうぞご利用ください。
コメント
ありがとうございました。字がきれいに書ける可能性があることがわかり気持ちが少し明るくなりました。頑張ってみます。綺麗な字を夢みて。
>>カズさん
字が上手い人は、
生まれつき手筋が良いとか
特別な能力を持っているとか
色々な説がありますけど、
私は練習の方向性さえ間違えなければ、誰でも綺麗な字が書けるようになると考えています。
夢が叶うといいですね。
かたつむり書いてみます❗
肩の力を抜いて
書いてみます。
娘(小1)の字が汚すぎて、困ってました。
かたつむり、私も含めてやってみようと思います。
>>ユウコ。さん
いちど身についてしまった書き方のクセは、
大人ですら自覚があっても直すのが難しいのに
子どもに教えるとなると、本当に困ってしまいますよね。
小学1年生のお子さんで"乱雑な字"を直す目的でしたら、
かたつむりの「ぐるぐる」を書くトレーニングの他に
いちど試していただきたい市販教材があります。
『下村式 となえて書く ひらがなドリル』
https://amzn.to/2MQi7cS
絵描き歌のように、リズムに乗って"書き方を唱える"タイプの練習帳です。
たとえば「し」の書き方は↓
『ゆっくりと たてぼう おろして
まがって ぴゅう』
と、リズムよく書くことで
整ったひらがなが自然と書けるようになります。
唱え歌を口ずさみながら書くことで、
・「とめ」「はね」「はらい」といった運筆の基本がきちんと出来る。
・頭の中で文字の形を思い描くから書き順を間違えない。
といった学習効果を見込めます。
ほかにも
鏡文字(逆さ文字)を改善できる効果もあり、
手本の書写が苦手な子にもオススメです。
ひらがなの読み書きができるようになった子は、字のお直しを嫌がる傾向にあるので
子ども自身が興味をもって自発的に取り組める
そんな「ドリル」を見つけ出すのが1つの打開策になるのではと感じました。
長くなりましたが、解決の糸口になりましたら幸いです。
カタツ厶リをいっぱいかいたら、字がめっちゃ上手くなっちゃた。
本当でした。
ありがとうございます!
カタツムリはあったら字を適当に書いても何故か綺麗に見えるようになった
カタツムリよりひたすら字を書いて練習する方がうまく書けるようになった。
カタツムリの渦巻きが、どうしても一定の間隔で書くことができません。どうすればいいでしょうか。
すごいと思った
意味のない方法を教えてくれてありがとうございます。
なるほどなあと思いました
手本をイメージして書けば良いのですね
大変参考になりました
ありがとうございました